ワクワク感がスゴイ!大人の隠れ家デートができる名店10選

※こちらの店舗は、現在閉店しております。

近代の文化人はこの席で何を食し、何を語り合ったか……そんな空想にふけるのも楽しい

築地の路地に潜む文明開化の残像
『江戸肉割烹 さゝや』

路地にまかれた打ち水、軒先に置かれた鉢植え……そんな下町情緒溢れる路地を行くと、古式ゆかしい木造家屋がふいに現れる。ビビッドな色ガラスの扉を開き、上り框で靴を脱ぐ。

どこか懐かしい店内に歩を進めれば小さな中庭を囲むようにしてテーブル席、備長炭が煌々と燃え盛る炉。その周囲にはカウンター席が設けられている。

大正時代に建てられた一軒家をモダンに改築した設えに俄然、期待が膨らむ。ゲストの高揚に応えてくれるのは、“肉の総本山”を名乗る同店ならではの美味の数々。

江戸焼(大沼牛と黒毛和牛のハーフ&ハーフ)。写真は2人前。麩がまた旨い

清涼な地下水と厳選された飼料で育った絶品の牛肉は、文明開化の象徴として人々に愛された「牛鍋」として供される。

その旨みを引き出すのは麹をたっぷり使う製法ゆえ第二次大戦中の食糧統制を受け、一時は姿を消していた江戸甘味噌を主とした自家製の練り味噌。麩や豆腐、江戸菜等の付け合わせも、明治期より好まれた老舗のものを使用。

この牛鍋に滲むのは、職人の技が引き出す素材や調味料の質の良さだけではなく、日本人が辿ってきた歴史そのものだ。

引き締まった赤身が旨い会津の馬刺しにも面白いストーリーがある。薬味として添えられた辛味噌、実は力道山の考案だというのだ。

炉で焼き上げる原始焼き

新鮮でさっぱりと美味しく、滅多にお目にかかれないレバーや細切りにして出汁にくぐらせた肉そばなど様々な趣向を凝らした逸品の数々は嬉しい限りだ。

肉本来の味わいが楽しめる、原始焼きもおすすめ。炭火を取り囲むように配された串刺し肉は、遠赤外線により外は芳ばしく、中はふっくらと焼き上がる。知る人ぞ知る大沼牛のホルモンは、その脂のジューシーさに思わず膝を打ちたくなるほど。

これらの脂をすっきり洗い流してくれるのは清々しい香りを移しこんだ竹酒だ。かの時代の人々が、新時代の幕開けに期待で胸を膨らませ食した絶品肉。その一口は味覚のみならず五感に響いてくる。

刺盛(大)。写真は2人前。肉そば、和牛の松前漬け、サガリのたたきなど。中央には新鮮なレバーを。入荷状況などによりメニューは異なる。写真は一例

レトロモダンな2階のテーブル席。頭上にはシャンデリアが

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