2015.07.04
春夏秋冬食べたい寿司ではありますが、いまが旬の夏のネタもとりわけ旨い。アワビ、新イカ、そしてそろそろ新子が登場……。今の季節だからこそ行きたい、職人技が光る握り自慢の寿司屋と車海老の旨い名店をご紹介しよう。
夏の食卓が華やぐ車海老の鮮麗
『うぶか』
「旨み、甘み、食感とすべてにおいてバランスのとれているのが車海老。姿で言えば伊勢海老ですが、味なら車海老。海老の王様といっても過言ではないですね」
開口一番、熱くこう語るのは、荒木町の甲殻料理専門店『うぶか』のご主人加藤邦彦氏。確かに、プリッと弾力のある歯応えと品のよい甘み、そして茹でると朱に染まる縞模様も艶やかなその姿は、江戸っ子にも好まれたのだろう。天ぷらに寿司にと、江戸前の粋な味を代表する食材のひとつでもある。
天然ものの車海老の旬は6〜10月。数あるレパートリーの中でも、最大限に甘みが引き出されるのがこの逸品。殻付きのまま190℃の油で約10秒間サッと油通しした車海老は、高温で瞬間的に火を通すことで旨みが凝縮。食感はレアながら生とは一味違う豊かな甘みを、熟成させてまろやかさを増した赤酢の酢飯が寄り添いつつ引き立てる。今だけの最高の味わいを堪能したい。
職人技が光るアワビを堪能
『鮨辰』
駒沢の裏通りにありつつ、予約客がひきもきらない『鮨辰』。人気の秘密は店主・浜野章氏の握りの技術の高さ。そして、築地から仕入れる抜群のネタを扱いながら、おまかせコースが¥13,000からというコストパフォーマンスの高さだ。
ホタテや赤貝のように、1年を通して味わえる貝もあるが、その多くにはほかの魚同様、旬がある。旬を迎えた貝は旨み成分のグリコーゲンをたっぷり含み、身には弾力がある。夏はアワビが旬を迎える楽しみな季節。
浜野氏いわく「活けや蒸し、包丁の入れ方で味わいが変わるのも貝の面白いところ。それぞれの個性をきっちり“活かす”仕事をするように心がけている」はらりとほぐれるシャリとともにアワビを味わえば、口中にふわり初夏の風が吹く。
空間すべてで移ろう旬を表現
『鮨かねさか』
室町時代の花器に季節に合わせた花を生け、魯山人の器で寿司を供する。旬をとらまえた本物志向。それは金坂真次氏が握る寿司にも見て取れる。
ネタはいずれも繊細な江戸前仕事を施したもの。色鮮やかに茹でた車海老には芝海老のおぼろを隠し、常に火加減に目を配り煮上げた蛤はふわりと柔らかく上品に香る。心を砕くのは香りと食感、そしてバランス。余韻は脳裡に刻まれ、また足を運ぶことになる。
夏には新子や新イカがお目見えし、旬の握りで粋人の舌を喜ばせてくれる。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
この記事で紹介したお店
うぶか
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