A2:「本命にする気は、今はない」でも「消えてほしくもない」。
二度目にあったのは、中目黒だった。明日香から「行きたいお店があるんだけど、一緒にどうかな?」と誘われ、断る理由もないので食事をすることになった。
そしてディナーの後。他愛もない話をしながら目黒川沿いを歩く。
どこか2軒目へ行けば良かったのかもしれない。でもそこまで飲む気にもなれず、“なんとなく川沿いを歩いた”と言った方が正しいかもしれない。
「今日も楽しかったな〜。太陽くん、ありがとう」
「こちらこそ。明日香ちゃん、寒くない?」
そう言いながら、明日香の手を取ってみる。
すると、明日香は僕の手を振り払うどころか、一瞬驚いた顔はしたものの、そのままずっと僕の手を握り続けている。
この行動で、僕はすべてを悟った。
― なるほどね…。
本当に嫌だったら、振り払うはず。そして気の強い女性だったら、「手を繋ぐなんて!これは、どういう関係!?」と、問い詰めてくるはず。
でも明日香は何も言わず、ただ僕の手をそっと握り返し続けていた。
そしてこの二度目以降、僕の中で明日香の扱いが、もはや決定的なものになってしまったのかもしれない。
明日香からの好意には、気がついているし、可愛いなとは思っている。でも「この子と付き合おう」という気持ちには、まだなっていない。
そんな時に、再び明日香から連絡が来た。
― 明日香:今、忙しいよね?恵比寿で飲んでいるんだけど…。偶然、近くにいたりしないかな?それか、太陽くんが飲んでいる所でも、どこでも。もし会えれば嬉しいなと思って
その日は僕もたまたま恵比寿におり、急遽合流することになった。
特に何も考えず、変な下心もなく合流したのだが、カウンター席に並んで座り、ふたりでグラスを傾けていた時。明日香が、急に真剣な顔になった。
「太陽くんって…今、彼女いるの?」
これを聞かれた時の僕の咄嗟に思ったことは、「面倒臭い」だった。
でも、それを言うわけにはいかない。だから僕は明日香に変な期待を持たせないようにしつつ、かと言って完全に切れない関係になるような曖昧な発言をした。
「彼女はいないよ。一応マッチングアプリはまだ入っているけど…でも、最近は全然見てないな」
「そうなんだ」
「彼女は欲しいと思っているんだけどね」
ただ、これは本当のことだった。マッチングアプリは、「最近は全然見てない」。でも、明日香だけを見ているわけでもない。
明日香が何を思っているかわかってはいるし、期待させてしまっていることも気付いている。
でも、今の僕には彼女に向き合う準備ができていない。
正直なところ、「今すぐ誰かと付き合う」という気持ちになれないだけだ。
仕事は忙しいし、自分の時間を楽しみたい気持ちもある。でも、明日香を手放したくない気持ちも確かにある。
彼女は自立していて、重くなくて話していて楽だ。もし「やっぱり付き合おう」と思った時に、そこにいてくれると助かる。
だから適当な言い訳を作りながら、適度に連絡をしている状態だ。しかも、毎回明日香の方から連絡をくれる。
ただしここから、発展するのか?
その可能性は極めて低いと思う。でも僕的に、完全にゼロにはしたくない。
そのため、LINEも適度に送る。
誘われれば断る理由もないので会う。いなくなったらそれはそれで寂しい。
― 明日香に彼氏ができたら、この関係は終わるんだろうな。
それまでは一旦、このままでいいと思っている。
▶【Q】はこちら:何度も会っていい雰囲気なのに…。彼の“本命彼女”になれない決定的な理由とは
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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たった一度のデートで女が完全拒否した理由







この記事へのコメント
こんな男と結婚してもろくなことにwないから付き合わなくてOK。別に悪い子じゃないし他にもっと愛してくれる人すぐに見つかると思う。
そん時になって惜しくなって追いかけてくるんだろこの男は。