A2:離婚原因になったのは、夫の小さな嘘の積み重ね。
小さな私のモヤっとはあったものの、結局、大きなケンカもなくそのままプロポーズとなった私たち。
しかし、いざ結婚の挨拶となった時に、とても驚いたことがあった。
彼の実家は、横浜だと聞いていた。しかし実際のご実家は相模原だったのだ。
― これって…育ちの家が相模原ってこと?
「真一のご実家って、相模原なんだね。横浜かと思ってた」
「そうだよ。二人の実家が、遠からず近からずで助かるね」
たしかに交際する時に、“横浜”と言っていた。横浜と相模原は一緒なのだろうか。いや、微妙に違う気がする。
ただ本人が育った場所なのかもしれないし、お父様の会社は横浜にあるのかもしれない。それに私が知らないだけで、相模原も横浜と言うのかもしれない。
でも実際にご両親にお会いして色々と話を聞いた結果、会社も育ちも横浜ではなく高尾山に近い相模原市だった。
私からすると、相模原市でも、横浜でもどっちでもいい。どちらも素敵な場所だと思うから。
― 別に誰も傷つけてない嘘だけど…。なんかザワザワするな。
小さな違和感はあったものの、結婚の話はどんどん進んでいくし、後戻りはできない。結局籍を入れた私たちだけれど、やっぱり、結婚後に抱いていた違和感はさらに大きくなっていった。
ちなみに、結婚しても真一がお金に対してシビアなことに変わりはなかった。生活費を1円単位で細かく真一はスプレッドシートで管理していた。
「綾。今月の生活費、スプシに入れといてね」
「わかった」
ただ結婚したら、財産は二人のもの。それに私も仕事をしているので、これは逆に結婚したら気にならなくなった。
それよりも、もっと許し難いことがあった。
一緒に暮らし始めてわかったことだけれど、真一は出身地のことのような、“微妙な嘘”をつく。
それはとても些細なことで、気にならない人は気にならないかもしれない。
「今夜は接待で遅くなるかも。大事な投資家の人たちとご飯で」
「投資家?何の?」
「事業のだよ」
でも小さな嘘が積み重なっていくと、すべてが胡散臭く聞こえてしまう。
― 本当に投資家なのかな…。女の子とご飯とか?
そう私が疑ってしまうのには、理由がある。
なぜなら、真一の話がどこまで真実で、どこまでが嘘なのかよくわからないから。
「そうなんだ。ところで結婚する前に話していた売上目標、その後どう?順調?」
「何の話?」
「ほら、『2年後には、年商10億超えはいけると思う』って言ってたじゃない」
「違うよ、1億でしょ?」
そんなはずはない。確かに「10億」と言っていた。
でも、それも私からするとどっちでもいい。どうして正直に言ってくれないのだろうか。そもそも嘘をついてまで、自分を大きく見せようとする時点でダサい。
「そうだっけ?とりあえず、今日の接待頑張ってね」
きっと、真一の中で嘘をついている自覚がない。これが、一番怖いなと思った。
小さな嘘だし、誰も傷つけないから良いと思っているのだろう。でも小さな嘘をつく人は、いずれ大きな嘘をつく。しかも罪悪感もなしに、平然と嘘を言い放つ。
そう考えると、真一が小さな嘘を重ねるたびに怖くなり、存在自体もどんどん小さく見えてくる。
人として信頼できないし、大なり小なり、嘘は嘘だ。
今後結婚生活を進めていく上で、嘘をつくような人間とは付き合っていけない。慰謝料もいらないので、早めに離婚して、お互い再スタートを切った方がいいと思う。
「真一は何も悪くない。でもこれ以上、夫婦でいることは難しいと思うんだ」
そう切り出し、私は早々に離婚することになった。
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この記事へのコメント
😆言わないから
例; 恥ずかしながら真一のご馳走になれるものだと思っていた。