Q1:女が交際中から溜まっていた不満は?
奈津美と出会ったのは、友人の紹介だった。最初からすごく気が合い、なんとなく「彼女と、ずっといることになるんだろうな」と感じた。
その直感は当たっていて、気がつけば彼氏と彼女になっていた僕たち。
奈津美は気性が荒く、言いたいことをハッキリ言う性格だ。その性格のせいで何度もぶつかってきたけれど、毎回仲直りしてきた。
でも毎回、本当にしょうもないことでケンカが勃発する。トイレの電気をつけっぱなしにしているとか、僕の帰りが遅いとか…。
普段はそこまで束縛は激しくないのに、たまに何が気に障るのか、急に口うるさくなる。
この日は、僕が深夜2時過ぎに酔っ払って帰宅したのが許せなかったらしい。
「ねぇ涼。帰りが夜中12時過ぎるときは、連絡してって言ったよね?」
しかも翌日言われても、どうしようもない。
「酔っ払っていたら、連絡なんてできないよ」
「酔う前に、『今日は12時過ぎるかも』とか言えるでしょ?」
「どれだけ盛り上がるかなんて、その時にならないとわかんないじゃん」
「別に、『毎日連絡しろ』とは言ってないでしょ?なんでこんな事すらできないの?」
僕には、奈津美が怒る理由がわからなかった。
僕たちは、交際してすぐに僕の家に奈津美が転がり込む形で同棲を開始した。
だから、奈津美が僕の帰宅時間に対してとやかく言う権利は基本的にないと思っている。
「奈津美が勝手に、この家に転がり込んできたんだし。嫌なら出ていけば?」
「はぁ?まじで最低」
こんなケンカを、何度繰り返しただろう。
奈津美は怒ると誰にも止められない。でもいつも、友人の家やホテルなどを一人で泊まり歩いて、数日経って帰ってくる。
「奈津美、ごめんね。機嫌直った?」
「うん。私もごめん」
こうして、毎回丸く収まっていた。
そして交際して3年にもなると、ケンカはだいぶ減ってくる。だからお互いに上手くやっていると思っていた。
「涼、私来年で36歳になるんだけど」
「そっか、もう奈津美も36歳か」
奈津美は見た目が若いからすっかり忘れかけるけれど、もうそんな歳なのか…と改めてびっくりする。
「奈津美って若いよね」
「まぁ…涼が若いからね」
僕は今年30歳で、実は奈津美より5つ年下だ。
「涼は、子どもとか欲しくないの?」
「欲しいよ。でもまだ先かな」
「私の年齢のこと、考えてる?」
「もちろんだよ。だからあと3年後くらい?」
「それじゃ遅いよ…」
奈津美はそう言うけれど、僕の知り合いの人たちは40を過ぎても産んでいる女性もたくさんいる。
「大丈夫でしょ」
「大丈夫か大丈夫じゃないか、と聞かれると大丈夫かもしれないけど…」
結婚も、ちゃんと考えている。そのことは伝えているし、奈津美を不安にはさせていない。
しかし、そんなことを忘れるくらいの忙しい季節が、今年もまたこの季節が来てしまった。“大・忘年会シーズン”が…。








この記事へのコメント
先に寝ちゃえばいいのに。 その件よりも、まだまだ結婚する気は三年位ないと言われたなら限界まで我慢するのではなく年齢の事を考えて別れを決意する方が。
3年後と言われながら結婚の圧力かけたり無理に親に合わせようするのはちょっと.... 更に、なかなか結婚してくれない件と忘年会で帰宅24時過ぎる件は別。アンサー読む前から奈津美の言い分が薄っぺらくて矛盾してるだろう事は明らか。
どうして付き合ったんだろう、涼は。