Q2:男が交際を決めるキッカケとなった言動は?
あれは、12月1週目の週末のことだった。表参道にある『TWO ROOMS』で学生時代から仲の良い美春と、二人で飲むことになった。
「相変わらずここのお店は素敵だよね」
「素敵だね。写真撮ろう〜っと」
そんなことを言いながら二人でテラス席で写真を撮っていると、ふと見覚えのある顔がお店に入ってきた。まさかの、遼太郎とその友人だった。
「あれ?遼太郎さん…?」
「え!真子ちゃん!?どうしたの?何してるの、ここで」
「私は今友達と軽く飲みながらご飯食べようとしていて…」
「…良ければ、一緒にどう?こっちも男二人だし。あ、でも嫌だったらもちろん全然大丈夫」
美春の方を向くと、美春は「OK」と言っている。そこで私たちはお店のスタッフにお願いして、4人席にしてもらい、みんなでご飯をすることになった。
「遼太郎さんと、友人の美春です」
「こちら、僕の友人の真子ちゃんで。こちらは、僕の同期の慎二です」
「初めまして〜」
お互いの友人を紹介し合い、わいわいと盛り上がる。慎二さんもとても良い人で、すごく気遣いができる人だった。
そしてさらに、二人の同期だという梨花さんという女性も、22時過ぎから合流することになった。
「どうも〜二人がお世話になってます!」
良い感じで酔っ払っている梨花さんに、最初は圧倒されていた私たち。でも話をしているうちに、彼女もとても素敵な女性だということがわかった。しかも梨花さんは最近結婚されたばかりで、二人にお祝いのシャンパンをねだりに来たらしい。
「ちょっと、そこのメンズ二人!シャンパンよろしく」
梨花さんに顎で使われる男性陣二人の姿が面白くて、私は思わず笑ってしまった。
「梨花さん、最高ですね」
そう言うと、サバサバとしている梨花さんは酔っているのか、私を気に入ってくれたのか、すごく褒めてくれる。
「真子ちゃん良い子だね〜。真子ちゃん、何飲みたい?」
「そんな、お気遣いなく。むしろ梨花さんが飲みたいものをご一緒に頂きます」
「真子ちゃんって、めちゃくちゃ気遣いできる人だね。さっきから細かいところに目がいくというか…」
「そうですか?」
自分ではわからないけれど、梨花さんの目にはそう映ったらしい。悪いことではないので、私は嬉しくて思わずニコニコとしてしまう。
「今日、ご一緒させて頂きありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ。突然私が入って、お邪魔じゃなかった?」
「むしろ大歓迎です!」
慎二さんも梨花さんも良い人だし、美春がいたおかげか、お酒のせいなのか…。私はすっかり気分が良くなり、終盤になるとだいぶ楽しくなってきてしまった。
「真子さん、今日ご機嫌ですね。ずっと笑ってる」
遼太郎にそう言われて、私は思わず頬を赤らめる。
「そうですか?やだ、恥ずかしいな。でも楽しくて」
「真子さん、この前静かだったから、楽しくないのかなって心配していたんです」
「そんなことないですよ!すっごく楽しかったです。でも緊張していたというか…私、話すのもそんなに上手くないので、逆に大丈夫だったかなと思って。だから今日、遼太郎さんに偶然でも会えて、本当に嬉しいです」
「そうだったんですね。それなら良かった」
「とりあえず…もう一度、乾杯しますか?みんなで」
「そうしましょう」
こうしてみんなでもう一度乾杯し、楽しい夜は更けていった。
この翌日。遼太郎の方から連絡をくれて、二人で再度食事へ行くことになった。
その後何度かデートを繰り返した結果、まさかの告白をしてきた遼太郎。すごく嬉しかったので、私は心の底から今幸せを噛み締めている。
でも、一度は完全に終わったはずだった。可能性も、ほぼゼロに近いと思っていた。
それなのに、どうしてこうして付き合えることになったのだろうか…?
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▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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時間が経ってから、男が女に対して興味を持った理由は?







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