◆これまでのあらすじ
ニューヨークへ転勤することになった総合商社勤務の遥斗。
付き合っていた彼女にフラれたことをきっかけに、新しい出会いを探すことに。
様々な人と出会う中、日本人で現地のコンサル会社に勤める莉乃と出会う。
遥斗は莉乃に惹かれるが「今はデーティング期間だから」と牽制されて…。
▶前回:「何度デートを重ねても、恋人じゃない」海外の曖昧な関係に翻弄されるのは、女性だけじゃなかった
Vol.7 ニューヨークでも出会いは日本のマッチングアプリ
ブブブ…。
ランチタイム。遥斗がピザショップに並んでいると、メッセージが届いた。
ランチになると、スーツを着た人々がストリートに溢れ出す。
ただ、ニューヨーカーの中には、ランチを楽しむよりも効率を好む人も多い。
お昼がニンジンだけ、スープだけ、フルーツとスナックだけなんて人もいて、初めは驚いた。
遥斗も徐々に慣れ、ランチミーティングでもない限り、近くのサンドイッチ店か、ピザショップで一切れ買って済ませることが多い。
遥斗は注文を済ませると、スマホを取り出しメッセージを確認する。それはギャル姐からだった。
「今夜こそ、来るんでしょ?」
時間と場所とともに、なぜかギャル姐の自撮りまで送られてきた。
相変わらずの威圧感。けれどなぜか憎めない。
最近は仕事も落ち着き、知り合いを増やしたいと思っていた遥斗は、行ってみることにした。
◆
「やぁ〜っと来た!もう、この子ったら全然連絡もよこさないんだから!」
ミッドタウンにあるバー『Valerie』に行くと、30から40人ほどが集まり、賑わっている。
遥斗が一歩店内に入ったところで、さっそくギャル姐に見つかってしまった。
「いえ、ギャル姐さんに育てられた覚えはありません」
遥斗がそう返すと、ギャル姐はいつものように大きな口を開けて笑い「やだ〜、彼氏の設定の方が良かった?」と上目遣いをしてみせる。
そして今度は自分で吹き出しながら「やだ、上目遣いしたら、つけまつげで何にも見えないわ!」と腹を抱えて笑いはじめ、忙しい人だな、と遥斗は苦笑いした。
「で、どーなのよ?莉乃ちゃんと。あれから進展あったの?」
遥斗は内心ズキっとしたが、ギャル姐に知られている手前答えないわけにもいかず、今の状況を話した。







この記事へのコメント
どちらか(相手を)見極めるのが難しいんだけど、莉乃は前者だと予想、止めといたほうがいい。