◆前回までのあらすじ
セレブ専業主婦の愛梨(37)、バリキャリ共働き夫婦の由里子(38)は、子どもの習い事が一緒で友人関係に。まりか(38)は、起業家兼ピラティスインストラクターで、由里子とは昔の飲み友達。3人は立場やキャリアが違うものの友情を育むようになった。彼氏もいない、結婚の予定もないまりかは…つい「卵子凍結」を考えていると発言したものの…。
▶前回:「そろそろ結婚した方がいいのかな」毎年、誕生日のたびに頭をよぎる30代女性の切実な思い
結婚がしたいのか、恋愛がしたいのか…。
まりか(38歳)Web制作会社経営/ピラティスインストラクター
土曜の夕方、MacBookを開いたまま、私は家のソファでだらけきった姿勢で天井を仰ぐ。
「……とりあえず検査、行っておくべきかな」
卵子凍結を考えてると、この前由里子と愛梨に伝えた。
気になる産婦人科はリスト化したものの、予約はまだ入れていない。けれど、38歳になったばかりだというのに、1秒ごとに若さがなくなっていく気がして妙に焦ってしまう。
― パートナーが決まっていたら、受精卵凍結の方がいいんだろうけどね…。
ふと、冷蔵庫の横に貼ってあったクリニックの資料に目をやろうと立ち上がったその時。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。Amazonでも、佐川でもヤマトでもなければ、Uber Eatsも頼んでいない。
― 誰…?
モニターに映っていたのは、意外な人物だった。
「……颯斗?」
まさか、部屋を訪ねて来るとは思っていなかった。LINEをブロックし、着信も拒否しているから、彼が私と話すには、家に来るしかなか手段がなかったのは確かだ。
一瞬迷ったが、私は解錠ボタンを押した。
この記事へのコメント
別に年の差は関係ないと思いますが、颯汰の今までの言動からまりかを本命視するとは全く思えなかったのがちょっと会わずにいただけでいきなり変わるとか、薄っぺらい話だなと感じました。子供は欲しい38歳が、今恋愛したいのか結婚したいのか「自分の本音が見えない」とか悠長に悩んでるのも現実味ないです。