Q2:妻が、妻を辞めた理由は?
華恋が小学校に上がり、夏希もだいぶ自由な時間が増えたようで、僕から見ると毎日楽しそうにしていた。
同時に、僕の仕事も結構忙しくなり、朝も早いし出張も増えていく。
「明日の出張の用意、お願いしていい?」
「わかった」
出張前になると夏希はさっと準備してくれる。出張から帰ると、荷物のアンパッキングもしてくれるし、かなりできた妻だと思う。
食事の準備も手を抜かないし、華恋の習い事の送り迎えもしてくれている。
そんな夏希に対し、感謝の気持ちを忘れているわけではなかった。
「本当に助かる、ありがとう。夏希はいい妻だな」
「良かった」
「そういえば、冷蔵庫のビール切れてるかも」
「そうなの?補充しとかないとだね」
「うん、頼んだ」
僕は家で晩酌するのが好きで、夏希が作ってくれる晩酌セットをつまみながら飲むのが至福の時間でもあった。
そんな大切な時間に、夏希は急に大事な話をし始めた。
「夏希は?飲まないの?」
「じゃあ一杯だけ。そういえば、そろそろ仕事復帰しようかなと思って」
「そうなの?なんで?」
華恋はまだ小学生だ。
「華恋だってまだ小さいんだし、母親が側にいてくれた方がいいんじゃないの?お金は僕がなんとかするし」
「うん、それは感謝してる。でも金銭面のことじゃなくて、私もそろそろ復帰したいなと思って」
「そうなんだ…」
別に仕事復帰するのは構わないけれど、家のことや華恋のことが心配ではないと言ったら嘘になる。
「大丈夫。華恋の送り迎えとかには支障がないようにするし、今までのように家のことはするから」
「それだったらいいんじゃない?」
こうして、僕は快く妻の仕事復帰を承諾した。
しかし、これがダメだったのだろうか。仕事を始めた途端に、忙しくなった夏希。夕飯も作り置きが増えたし、家事もアウトソーシングすると言い始めた。
「それだと本末転倒じゃない?稼いだお金で家事をアウトソーシングって…もったいなくない?」
「私のお金なんだから、どう使おうと勝手でしょ?あなたのお金からは出してないんだから」
「そうだけど…」
たしかにそう言われると、何も言えない。
結局妻はアウトソーシングをうまく活用しながら、仕事と家庭の両立を頑張っていた。
しかし華恋が中学生になるタイミングで、突然妻を辞める宣言をした夏希。
うまくいっていたし、家庭は幸せだったはず。お金にも困ってなかったし、生活費も結構しっかり渡していた。華恋の子育てに関しても、うるさく言わないようにしていた。
― 何が不満なんだよ…。
そう思いながら、僕は悶々とした気持ちを抱え続けている。
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女が急に妻辞めます宣言した理由は?
この記事へのコメント
多分この夫婦はコミュニケーション不足で話し合い等きちんと出来ていなかった事が原因だと思った。 夏希も、簡単に「華恋の送り迎えとかには支障がないようにするし今までのように家のことはするから」と約束し...続きを見るたから、不満を言えずにため込んで爆発したのかもしれない。
ちょっとよく分からない。日本ではまだ親権をシェア出来ないから
(法案は可決されたけど施行 は2026年移行?!) 離婚はするけど一緒に住んで育てるって事なのか・・・