Q1:28歳の女が17歳年上の男に迫ってきた理由は?
凛と出会ったのは、友人の誕生日会だった。その友人は港区でも有名な経営者で、いつも男女問わず、若くて可愛い子に囲まれている。
また毎年盛大に誕生日会をするのだが、今年もかなり華やかな会だった。
その会に、女友達と来ていた凛。僕と一緒に参加していた裕介が凛に声をかけ二次会で連絡先を交換した。
翌日、凛から連絡が来て僕も返信して、なんとなく食事へ行く流れとなった。
「食事へ行きませんか?」と、最初は向こうから積極的に誘ってきた感じだった。
― これって…?
そんな淡い期待と共に、予約した西麻布の裏通りにある『蓮』へと向かう。
凛は僕好みの綺麗な感じの服装で来ており、思わず目を細める。
「何飲みます?お好きな物を」
そう言うと、凛は目を丸くしている。
「この前から思っていたんですけど…健介さんって、なんで私に敬語なんですか?」
「敬語のほうが楽だからかなぁ」
「私には、敬語なしでお願いします♡そして、シャンパン飲んでも良いですか?」
「うん、もちろん。好きな物を頼んで」
こうして僕はビール、凛はグラスのシャンパンで乾杯をし、デートが始まった。
会社にも若い子はいるし、そこまで僕も感覚が古いわけではない。そう思っていたけれど、想像以上に凛はしっかりしており、僕の話を適宜聞きながらも自分の話も織り交ぜてくれて、会話も盛り上がる。
「じゃあ凛ちゃんは、今後起業したいの?」
「そうなんです。そのために、今は普通の会社員ですけどお金を貯めて、来年には起業したいなと思っています」
「すごいね。何系の会社をつくるのかな」
「美容とITを組み合わせたサービスです」
一応、企業の経営者として名を馳せている僕。「その目的もあって近づいてきたのかな?」とは思ったものの、凛が将来の話を一生懸命しているので、僕は彼女の話に耳を傾ける。
「そっか、応援してるよ」
「山形牛サーロイン よだれ牛」などを食べながら、そう言うと凛は嬉しそうにうなずいた。
「健介さんに話聞いてもらえて、良かったです!ありがとうございます」
「いえいえ」
「やっぱり、健介さんって大人の余裕があって素敵だなぁ」
こんなことを言われると、男は勘違いしてしまうことを凛は知らないのだろうか。
「凛ちゃんは、同世代の人とかとは付き合わないの?」
「元彼は同じ歳だったんですけど、子ども過ぎたというか、何というか…。自分が成長できない感じが嫌で、別れちゃいました」
「そうなんだ…大変だったね」
「健介さんは?今彼女とかいるんですか?」
「僕?いないよ。バツイチだけど」
「そうなんですね!!お子様はいらっしゃるんですか?」
「一人いるけど、前妻のほうにいて。だから今はひとり暮らし」
「再婚願望とかあるんですか?」
「あるよ。素敵な人がいたらいいなぁと思ってる。凛ちゃんは?」
「私は、結婚願望しかありません(笑)」
お互いの恋愛や結婚生活の話などをしているうちに、あっという間に時間が来てしまった。
「今日は楽しかった。ありがとう」
凛の家の下までタクシーで送り届け、お礼を言うと、凛は去り際に次の約束の提案をしてきた。
「こちらこそ、すっごく楽しかったです!次のデートの日程、またLINEしますね」
凛に少し圧倒されながらも、僕は幸せな気持ちに包まれていた。
この記事へのコメント
会計時、「いつもありがとうございます。ご馳走さまです」ってすごい慣れてるなと。
と言うか、本当に好きとか付き合いたい相手で内面的な魅力も感じていたなら、多少の匂いも我慢出来るしおいおい様々な対策も出来ますよね? 最近は男性でも脇の脱毛とか、デオドラントも色々有る。デートの前サウナ控えるとかハンカチ持ち歩くとか些細な事で変わるとも思う。