Q1:初対面の時、男が「いいな」と思った女の言動は?
前の彼氏と別れたのは、恭平と出会う約半年前のことだった。社会人2年目の時に出会った元彼は本当に大好きで、彼と結婚すると信じて疑っていなかった。
でも若すぎたのか、長く一緒にいすぎたのか…。彼の仕事が忙しくなり、会えない時間が増えていく。それに不安と不満を募らせていき、だんだんすれ違い、最後は破局を迎えてしまった。
その経験が邪魔をして、「もうしばらく彼氏はいらない」とさえ思っていた。
しかし残酷にも、時間は経つし、年齢も重ねていく。
“30歳までに結婚”するならば、悠長なことを言っている暇はない。しかし周りは結婚ラッシュで、出会いも減っていく…。そう思い焦っていると、友達が「やっぱりアプリ」と言っており、私も登録することにした。
長年彼氏がいたので、実はアプリに登録するのは初めてだった。
「でも、周りもみんなアプリで付き合ったり、結婚したりしているしな…」
そう思い、登録した夜。仕事を終えてスマホを開くと、あまりの「いいね」の多さに驚いた。
「え、こんなにいるの?」
しかも一見、みんな良さそうな人たちばかりだ。その中で誰を選ぼうか迷っていながらメッセージを見ていると、手が止まった男性が一人いた。
それが、恭平だった。
― K:こんにちは、恭平といいます。僕も丸の内勤務です!もしよければお返事いただけると嬉しいです。
シンプルだけれども、人の良さも伝わってくるし、変な人ではなさそうだ。プロフィールを見ると、総合商社勤務と書いてあり、顔も肩書も悪くない…いや、むしろその逆で素晴らしかった。
なので早速私は返信をしてみる。するとすぐにメッセージのやり取りが始まり、一週間後。私たちは金曜の丸の内で、会うことになった。
しかもその前に、ちゃんと恭平はお伺いを立ててくれた。
― K:いきなりディナーでも大丈夫ですか?時間的に長くなってしまいますし、サクッとお茶とかランチが良ければ遠慮なく言ってください!
「なんてちゃんとしている人なんだろう…」
会う前から、彼の人の良さが伝わってきて、会うのが楽しみになっていく。そして当日。恭平が予約してくれた『THE UPPER』へ着くと、恭平はわざわざ席を立って挨拶してくれた。
「初めまして、恭平です。日奈子さん、ですよね」
「初めまして、日奈子です。お写真より…身長高いんですね」
「そうなんです、無駄に高くて。日奈子さんも、お写真と変わらないというか、可愛いです」
誰かに面と向かって「可愛い」なんて言われたのは、いつぶりだろうか。前の彼氏と別れる直前なんて、そんな言葉はもうなくなっていたので、新鮮で嬉しい。
そして食事が始まったのだけれど、恭平はイメージ通り爽やかで、とても素敵な人だった。
「そうなんですね、そんな長く付き合っていた彼とお別れしたからアプリを…」
「そうなんです。でも恭平さんの方こそ、すごくモテそうなのに」
「いや、たしかに飲み会とかは多いんですが、あまりピンと来なくて」
初回だけれど、お互いの恋愛遍歴など結構素直に話をした気がする。しかも恭平の話が面白くて、私は思わず聞き入ってしまうこともあった。
「日奈子さんって、何を話しても笑ってくれるし、ずっとニコニコしているから、勘違いしそうです」
「恭平さんのお話が面白いからですよ!」
「本当ですか?よかった。僕関西出身なせいか、“面白い”って言われるの、すごく嬉しいんです」
「関西のどこですか?私、母が関西出身で」
そこからも話は終わらず、でも時間が来てしまったので、私たちはすぐに次に会う約束をして別れた。
この記事へのコメント
だけど、こんなの当たり前過ぎて笑っちゃうよ。鼻息荒く今すぐ結婚したいとか付き合う前に言う女性なんてそう滅多にいない。