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男と女の答えあわせ【A】 Vol.273

「二度目はないな…」マッチング後の初ランチデートで、男が冷めた34歳女のNG発言とは

A2:言わなくてもいい“一言”が多い。


「外資系投資銀行なんですか?すごい!でも大変そうですよね」
「そうなんですよ。意外に、精神的にも体力的にもキツイことは多いですかね」

マッチングアプリで出会って、初めて実際に会うときは、お互いに相手のことをもっと知りたいと思うし、仕事の話にもなるのは当然のことだろう。

でも愛菜の場合、この会話の反応からして「ん?」と思った。

「ですよね?私だったら絶対にできないです」

愛菜に悪気はないのだと思う。でもこの言い方がキツかったことに加えて、人の仕事に対してあまりリスペクトがないように聞こえてしまった。

― そんな言い方しなくても…。

そう思っていると、愛菜はさらに失礼なことを言ってきた。

「聡さん、少食ですか?」

― え……。

元々僕は胃下垂で、食べても食べても太らない体質だ。それに加えて、忙しい時期などは少食になる傾向がある。けれども、それが嫌で頑張って筋トレもしている。それなのに、人が気にしていることを愛菜はサラッとついてくる。


「そんなことないですよ!」
「そうなんですね。細いから心配になっちゃって」
「え〜!こう見えて、一応筋トレしているのに」

そう言って、腕まくりをして腕を見せると、愛菜は急に態度を変えてきた。

「細マッチョなんですね!かっこいい」
「そういうことにしておいてください(笑)」

しかしもし本当にそう思ったとしても、本人が気にしていると思わないのだろうか。

別に怒るほどのではなかったので、一旦スルーすることにする。初対面で一度白けるとテンションを取り戻すことは難しく、早く帰りたくなってきてしまった。

しかしこれだけでは終わらない。美味しい食事をしていると、愛菜はまた要らない一言を放ち始めた。

「私、このマッシュポテトも好きで」
「わかる!これ最高ですよね。愛菜さん、この店結構来ていますか?」
「あー…何度か?」
「そりゃそうですよね」
「でも何度来ても嬉しいお店なので!」
「よかったです」

僕の場合、ここで嘘をつかれるよりも素直に言ってくれたほうが全然いい。ただこれは人によるかもしれない。なぜなら、自分が気合を入れてきた店に来たことがあるかどうか、気にする男性は一定数いるからだ。

「ちなみに愛菜さんは、なんでアプリを?」
「私は早く結婚したくて。聡さんは?」
「僕もいつかは結婚したいですが、すぐに結婚というよりは、誰か良い人がいたらいいな…くらいの軽い感覚です」


「なるほど…ちなみに、奥さんや彼女には稼いで欲しいタイプですか?」
「どうだろう…。あまり相手の年収は気にしないかな」

ここまでも、普通のやり取りだった。しかしまたここで、要らない一言が放たれた。

「そっか、良かったです。私の稼ぎだと贅沢できないので…。ちなみに、家事は奥さんにして欲しいタイプですか?」

これは、どういう意味だろう。そう思っていると、愛菜はペラペラと話し始めてくれた。

「それもどうだろうな…。アウトソーシングでもいいかなと思っています」
「ですよね!相手に経済力がある人だったら、家事は代行がいいなと思っていて。でももし必要だったら、もちろんするんですけど」

この話にはどういう意図があるのだろうか。もし万が一、稼いでいる男と結婚したい場合でも、こんなことを初対面で言う必要はない。

でも愛菜は素直なのか何なのか…。聞いてもいないことをどんどん言ってくる。

「効率化が一番ですから、いいんじゃないですか?ところで愛菜さん、ご出身はどちらですか?」
「私は埼玉出身で…」

愛菜を見て、わかったことがる。

彼女は、外見も良いしプロフィールもしっかりしているので、マッチはするだろう。でも実際に会うと、“要らない一言”が多すぎる。

相手のことをけなすなんてもっての外。初対面で、全部自分をさらけ出す必要はない。何よりも、いかに相手に良い印象を持ってもらうかが大事な場面で、話しすぎると墓穴を掘る。

「今日はありがとうございました!とっても楽しかったです」
「こちらこそです。じゃあまた」

― せっかくマッチしたのに、もったいないな…。

愛菜との初デートを振り返りながら、「次はないな…」と思っていた。


▶【Q】はこちら:マッチングアプリでの初デート。外銀勤務の男も乗り気だったのに、2回目がなかったワケ

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

▶NEXT:6月28日 土曜更新予定
女が男に愛想を尽かしたワケは?

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この記事へのコメント

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No Name
東カレは、30代半ばで婚活してる女性をすごい悪く描くの好きだよね。でも実際こんなにひどい人は滅多にいない。愛菜と結婚しても何一つメリットはなく、ただ浪費されるだけ。一緒にいてもつまらないし。
現実の世界で、アラフォーでも独身の女性たくさんいるけれど、それなりに稼いでおひとりでも人生を楽しんで丁寧な生活をしている人(家事含む) が多いように思う。東カレは特に、30になったら婚期を逃がしてる?とか、3
5歳以上はもう逆立ちしても絶対結婚できない等、未婚女性がまるで「違法」のように小説で書くから、読んで気分を害す人もいるんじゃない? 
2025/06/22 05:4053Comment Icon1
No Name
初対面でお金の話や体型いじり、結婚願望はそんなにない と言う相手に対して “たられば” で結婚後の話を聞くとか普通はしない。愛菜は常識がなさ過ぎた。
2025/06/22 05:2534Comment Icon1
No Name
愛菜は謙遜することもなく体をクネらせた。

そこでキモいーーーーと思わなかったんだ?🤮
2025/06/22 05:2929Comment Icon10
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男と女の答えあわせ【A】

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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