男と女の答えあわせ【A】 Vol.251

付き合う前の男女。デート直前に「体調が悪い」と女性から連絡が来たら、どう返すのが正解?

A1:気が利く良い人だな、と思っていた


哲也とは、知人が開催してくれた食事会で出会った。

外資系保険会社勤務だという哲也はがっしりとした体型で、「この人、体育会系なんだろうな…」と一目でわかる出立ちだった。

ただ話してみるといい人で、会話は盛り上がる。

しかも食事会の翌日、個別で連絡が来て食事へ誘われたので、私はなんとなく行ってみることにした。

哲也が予約してくれたのは、恵比寿にある『福味み』だった。九州の素材を活かした和食は気取ってないのに美味しくて、「お店選びのセンスはいいな」と言う印象を受ける。


そして話しているうちに、哲也が独身で結婚願望もあるということがわかる。

「え!百合さん、こんな可愛いのに?本当に今彼氏いないんですか?」
「そうなんです…実は先月別れたばかりで。哲也さんは?」
「僕もですよ。しかも今、真剣に結婚相手を探していて。百合さんは?」

33歳で独身、外資系保険会社勤務…。「性格も良さそうだし、相手としては申し分のない条件だな」と、勝手に頭の中で考える。

「私もです。今年で32ですし、真剣に結婚したくて」
「僕は、もう周りがほとんど結婚していて…」
「そうなんですよ!」
「本当に、続々と独身が減っていきますよね…」

しかも哲也は、結婚がしたいらしい。

条件が良くて、結婚願望のある独身男性なんて、こちらからしたら大感謝、大歓迎だ。

「みんなパパッと結婚を決めていて。すごいなぁって思います。哲也さんは、どういう方がタイプなんですか?」
「僕は笑顔が素敵で、何かを頑張っている人かな」
「それは、仕事とか?それともなんでもいいんですか?」
「うん、なんでも。頑張っている姿って、美しいじゃないですか」

意外に真面目そうだし、今のところ嫌な点が見つからない。しかもちゃんと、初デートで期待を持たせるような恋愛の質問もしてきてくれる。

「百合さんは?どういう方がタイプですか?」
「私は、尊敬できる人かな。あとは思いやりがある人かな」
「思いやりは大事ですよね。お互い尊敬し合える、というのも素敵です」

「鮭ハラスといくらの醤油漬け」を食べながら、私はほっこりとした、温かな気持ちに包まれた。


しかも、お互いの好きなタイプなどを話している時だった。

「百合さんは?どういう方がタイプですか?」
「私は、尊敬できる人かな。あとは思いやりがある人かな」
「思いやりは大事ですよね。お互い尊敬し合える、というのも素敵です」

ここまで話すと、私のグラスが空いたのをすぐに気がついてくれた哲也。

「次、何を飲まれますか?」
「どうしようかな…。哲也さんって、すごく気が利きますよね?最初にお会いした時から思っていたのですが」
「そうですか?営業職だからかな」

― この人、すごく気を使ってくれる人なんだな。

初回の時も思ったけれど、細やかな気遣いができる人なのだろう。

「百合さんも、すごく気遣いをされる方ですよね?」
「どうでしょうか。哲也さんほどではないですよ」

― もう少し、デートを重ねてみよう。

そう思っていると、哲也はちゃんと次の食事も誘ってきてくれた。

「百合さん、今日はとても楽しかったです。よければ、また食事へ行きませんか?」
「もちろんです」

ここまでは、良かった。もう少し回数を重ねたら、好きになっていく気もしていた。

でも二度目のデートで、私は一刻も早くこの人は切ろうと思うことになる…。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
百合の言い分はツッコミ所満載過ぎて…。でもこれは自分が一番悪いと思う。 体調がどの位よくないかは本人にか分からない。楽しみにしている相手にリスケの提案をさせるのは傲慢と言うか失礼。 4日前だしお店の予約がまだなら翌週に延期のお願いをするなりお茶だけに変更するなり自分から言わないとね。風邪に対する考え方の違いにしても、一刻も早くこの人は切ろうなんて最低。
2025/01/19 05:1757返信4件
No Name
なんだ、この性格悪い女!
2025/01/19 05:3436
No Name
体調悪いから延期したいでいいと思う。
相手の言葉を期待してたら恋なんて
いつまでたっても上手くいかない。
だってどんな相手でも多かれ少なかれ
会話が噛み合わない場面って出てくるわけだから…
2025/01/19 05:3334返信1件
もっと見る ( 27 件 )

【男と女の答えあわせ【A】】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo