女はつらいよ。 〜女子会は、甘くて苦い〜 Vol.1

『ポンデュガール』で失恋を慰める女子会

「今日お酒飲みたい!誰か今夜付き合って」

ランチタイム後輩達と新しく神泉に出来たイタリアンでポモドーロを頂いていた時、LINEが鳴った。見れば金融会社に勤める大学時代の友人・千佳(27)からのメールだ。女友達のSOSは絶対。とりあえず今日は何があっても空けるのだ。

女子会には2種類ある。

一つは、あらかじめ皆の予定を合わせて美味しいお店を予約して、少しだけオシャレして集う女子会。そしてもう一つが、今日のような緊急招集。後者は何かあった時のSOSである。

女友達とは、アフタヌーンティーを飲みながら他愛もない会話をするために存在するのではなく、壊れかけそうな(時に壊れてしまった)精神状態を癒すために機能せねばならない。何があったか分からないが、こういう時は彼女が勤める東京駅周辺の店にこちらが出向こう。

瀕死の彼女には、まず、栄養のあるものをたっぷり与え、そして痛みを和らげるための美味しいワインを投与せねば。と思った選んだお店は、銀座『ポンデュガール』。首都高速にかかる橋の袂にひっそり佇む赤い外観のお店で15人も入れば一杯になる。

ここは料理一皿一皿のボリュームがとにかく大きい。パテなんか、普通のお店の倍近い塊がこれでもかと存在感を発揮しているし、ハラミステーキを頼めば、お皿を隠すほどの大量のポテトの上に惜しげも無い赤身のステーキが鎮座している。ワインもがぶがぶ飲むのがこの店の主流で、「飲まない人お断り」と黒板に書いてある。

いつも満員盛況だが、たまたま空きがあり、私と千佳そして同じく大学の友人である愛子の3人が21時過ぎに揃った。

「彼氏と別れた。フラれたの。」

SOSの招集だから何かあったとは想像していたが、想像の中でも最悪に分類される報告だった。千佳の彼は、同じ会社に勤める同期だと聞く。仕事の出来る彼女と比べ、残念ながら出世コースから外れたような節があるようだったが、彼女は見下すこともなく仲睦まじく交際していると思っていた。彼女から振ることはあっても、まさか。

千佳は、話し切ると、なみなみと満ちていたワインを一気に飲み干した。そして、目の前にある赤身肉を口の中に入れると、私のワインを奪いぐびぐびと流し込んだ。それから、愛子のワインも続けざまに飲み干した後、店内に響き渡るほどの声で叫んだ。

「仕事のできない男に振られるなんて最悪!」

きっと彼女もどこかで分かっていたはずだ。彼に歩幅を小さく合わせて歩く恋愛が窮屈だということを。仕方ない。今夜はとことんまで飲んで食べて、「もう恋なんてしない」でも歌いに行こう!


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