表紙カレンダー Vol.111

アリーナツアーで多忙な岩田剛典が語る、意外な本音。「芸能界で生きる難しさとコンプレックス」とは

三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーであり、ソロアーティスト、俳優としても輝く岩田剛典さん。

この3月末からは、そのクリエイティビティを遺憾なく発揮したソロアルバム『ARTLESS』を引っ提げてのアリーナツアーがスタート。

そんな岩田さんに、アルバムとライブへの想い、多忙な中での私生活について聞いた。

「俺はできる」と信じ、駆け抜けてきた岩田剛典の哲学とは?

三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典


2年ぶりとなる岩田剛典さんへの取材。序盤にライフスタイルの変化について聞くと、「それが、ないんですよね」と正直な答え。「ちょっと、できなくて。ふふっ」と多忙さについ笑って続ける。

「でも、もし時間があったらゴルフは始めたいです。年明けに番組の企画でゴルフをする機会があったんですけど、初心者だからできなかった。この先のおつき合いも考えたらうまくなりたいです」

取材時は、3月6日に発売されたソロアーティストとしての2ndアルバム『ARTLESS』に基づくアリーナツアーの準備真っ只中だった。

「ソロだと統括プロデューサーも務めるので、予算組みから全部やっています。

例えばあの機械を何個導入したらいくらとか、距離が遠い人をどう楽しませるかとか、演者でありながら演出家という経験をさせていただいています」

3月23日の開幕に向け多忙な日々を送るが、その表情は満たされている。分刻みの予定のなかでの癒しを聞くと、「やはり食事の時間ですね」との返答。

「最近はソルロンタンにはまっていて、専門店のデリバリーを頼んでほぼ毎日食べています。外食はあまりなくて誘っていただいた時ぐらい。

最近だとメンバーのØMIに誘われて共通の友人たちと鮨に行きました。やっぱり、友達と食事やお酒を楽しんでいる時が何よりの気分転換になります」

アルバムのジャケットには自身の油絵を起用。10曲中、9曲は作詞にも携わった。「何かしながらの方が気分が上がります」と、日々、移動中などに湧きあがった言葉を書きとめていた。

収録曲のうち2曲のMVは、パリ訪問中のフリータイムに担当マネージャーとふたり、GoProを使って街中で撮った。

実に多才で効率的。何より、その瞬間のリアルな情感が作品に落とし込まれているのが魅力だ。

どこまで自分自身を満足させられるかの、無限ループも幸せ


ご存じのとおり、俳優業や三代目 J SOUL BROTHERSのグループ活動と並行としての創作活動。意欲のガソリンとなっていることとは?

三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典


「好奇心はあるでしょうね。あとハングリー精神は人並みにあります。自分はできる、望みを捨てたくないという感情を常にもっています。

無理だと人が言っても、いや、俺は無理じゃないと思うようにしています。思っちゃったら、その先がなくなっちゃうから。

各分野、上には上がいるので満足することは一生ないです。逆を言えば、どこまで自分を満足させられるかという話で、無限ループから抜け出せなくなりそう。でも、幸せを感じています」

前を見て進むメンタリティは作詞にも表れている。

例えば『Just You and Me』。タイトルは恋愛がテーマのようで、“ありのままの君でいい 格好悪くたっていい、不完全だから美しい”と、応援歌のような一面ももち合わす。

「この曲は光や希望をテーマにした楽曲でもあります。生きているとどん底な気分になることもあるし、いいことより良くないことの方が続く時期もあるのが人生。でも、そんな中でも救われる瞬間を箇条書きにして作っていきました。

聞いた人の自己肯定感が上がるように、格好悪くてもいいんだよ、あなたはひとりしかいないんだから、自分らしくいることが大切だよというメッセージを込めています」

皆さんの声が、厳しい世界でも頑張ろうと思わせてくれました


自身で、「そういう風に見られないけど、僕は間違いなくネアカ。すごく前向きなんですよ」と断言するのだから、岩田さんのファンが受けるポジティブな影響は大きいだろう。

そんなみんなの前に立つライブが近づいている。

三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典

「人生は一度きり」と話す岩田さんはポジティブなオーラを放っていた。恋愛も「当たって駄目なら次次!出会いは無限なんだから」と笑って話してくれた


「自分が誰かを元気づけられていると実感するタイミングこそ、この仕事をやってきて良かったと思える瞬間。

体の調子が良くなかった時に頑張れたのはライブDVDをずっと観ていたからというお話を伺う機会や、ありがたいお手紙をいただく機会も多くて、僕は自分のことなんか、がむしゃらにやらないと人並みにできないぐらいの人間と思ってずっと続けてきたから、そういう声に励まされます。

その声が僕を作ってくれたし、厳しい世界で頭ひとつ抜けるぞと思わせてくれました。

ある意味、“何くそ”とやってきた14年。だからこそ、皆さんの声は本当に嬉しくて、“あなたもできますよ”と伝えたい。

僕にはファンの皆さんのことを理解して作りたいことと、自分が表現したいことと、ふたつの軸があります」

多才な岩田さんの自己評価は、世間からしたら意外なものかもしれない。

「自分に芸能のスキルは何もないですから。そこはコンプレックスといいますか、芸能人でいこうと思ったのもここ10年ぐらいの話で、最初は“世の中に俺のダンスを届ける、俺ってすげえだろ”みたいな感じでした。

芸能界に入ってきたストリートダンサーだったんです。だけど何年かでシフトして、当時はファンの皆さんからも“変わった”とよく言ってもらえました。変わって当たり前だったし、変わらなかったらやばかったです」

ステージから見える景色が、岩田さんを次なる進化へと向かわせる。

「感情を前面に出してくださる方も多くて、今日のために仕事や勉強を頑張って来てくださったんだなと伝わってきます。それはこちらも一緒。

ステージは一瞬で終わってしまうけど、そこに至るまでの時間と努力は少なくない。ライブに来るまでのストーリーが会場の皆さんにも、ステージに立つ自分たちにもある。想いと想いがぶつかり合う。

MCでふざけて話す時もあるけど、でも、本当にそうだと思っています。やっぱり特別で、アドレナリンが出る非日常の空間です。

あれに勝る刺激はなかなかない。だから自分は、ライブがすごく好きです」

ステージを一瞬で終わると話すが、「このツアーの先も、まだまだやりたいことがありますよ!」と岩田さん。

その姿がいま一層大人の魅力を帯びているのは、“不完全だから美しい”と胸に抱き、前に進んでいるからだろう。

■プロフィール
岩田剛典 1989年生まれ、愛知県出身。2010年、三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーとしてデビュー。2021年9月にソロデビューし、2022年10月には1st ソロアルバム『The Chocolate Box』を発売。俳優として今年4月スタートのNHK連続テレビ小説『虎に翼』に出演する。

■衣装
[1枚目・2枚目]ジャケット 66,000円、シャツ 37,400円、パンツ 37,400円〈すべてMARKAWARE/PARKING TEL:03-6412-8217〉、その他スタイリスト私物
[3枚目]ジャケット 561,000円、シャツ 258,500円、パンツ 193,600円、シューズ 159,500円、リング(中指)92,400円、リング(人差し指)40,700円〈すべてボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン TEL:0120-60-1966〉


▶このほか:INI・佐野雄大&許 豊凡&髙塚大夢が語る、「メンバー内で色気がすごいと感じる人」とは?



東京カレンダー最新号では、岩田剛典さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、時間を大切に使う岩田さんが、ちょっと“じれったい”と思う瞬間とは?

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東京カレンダー2024年5月号の表紙

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