「昭和」の古民家で骨太フレンチを愉しむ神保町の名店『ビストロ アリゴ』

1階はオールスタンディング。入り口入ってすぐ、厨房の見える場所が特等席だ

ビストロ アリゴ

神保町の路地裏はここ数年で随分と古本屋が増えた。元来、世界的古書店街として知られる街だが、より趣味性の強い小さな店が生まれている。そんな界隈を散策すると、ランチメニューの黒板を掲げた古い家が。軒先には木箱に入った空のワイン瓶。聞けばビストロだそうだ。

ならばと勇んで夜7時半、がらりと引き戸を開けると、すでにあふれんばかりの人が! 1階は立ち飲み、2階は座敷。少しずつ場所を譲り合ってくれるお客たちに紛れ込んで、ようやくひと心地つく。さあ、ワインだ!

店は木造築50年以上の元氷屋。1階で商売をし、2階が住居の老夫婦の持ち家だった。下町にはよくあった造りだが、今では懐かしい。昔の温度計、サッシは木、窓ガラスには素朴な意匠。そんな家がビストロになるなんて。

だがこの盛況ぶりこそが、街の人々がこんな店を待っていた証拠だ。立ち飲みなら商店時代の店先から入り、2階の座敷なら横の玄関から入る。お客が階段を上がる度に、ぎし、ぎしと木がきしむ。人々のざわめきと共に、家が出す音こそが「アリゴ」独自のBGMだ。

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