サロン・ド・カッパ

SALON DE KAPPA

新しいことを始めたいなら
年齢や時期は、関係ない。

右.HIDEYUKI KIMURA『ジリオーラ』『イル・パドリーノ』の料理長を務めた後、渡伊。修業を重ね、帰国後『ラ・ビスボッチャ』などの料理長を歴任。

左.AKIO TAGUCHI '91年、三軒茶屋『グッチーナ』独立開業を経て、’10年、麹町『サロン・ド・カッパ』開業。同店では右腕に木村秀行シェフを迎えた。

料理人人生を全うできる人は幸いだ。多くの壁や障害。それらを乗り越え、自ら新しい世界を拓くこと。容易ならざるそれを、軽やかにあの人が始めた。

田口昭夫シェフ。実直な味わいとソフトな物腰で多くのお客を三軒茶屋『グッチーナ』に惹きつけた彼が、昨年麹町に『サロン・ド・カッパ』を開いた。昼は欧風カレー、夜はイタリアンの二毛作。意外な取り合わせには歴史と意味がある。

若き日、父の勤務先だった病院の喫茶店用にと頼まれたカレーのレシピが、殊の外、好評に。それは若き料理人にとって自信の礎のひとつとなった。『グッチーナ』開業当初、ランチで提供したこともある。タマネギなどをじっくり炒め、赤ワインや蜂蜜を加えてほどよく焦がし、肉と香辛料を入れて煮込む。ベース作りに1週間かかるカレー。深い味わいは、初対面で別れた後、もう一度振り返って存在を確かめたくなるような余韻を残す。

目玉は決まった。麹町では南イタリアで修業した木村秀行シェフを迎え、イタリアンも提供。来年には都内にカレー店を幾つか出す。彼の腕と人脈と情熱ゆえに、青写真はどんどん現実になる。加えて「なぜこんなに美味しいものを、お客さまにお出ししないの?」と言う、妻の存在ゆえに。

右.千葉県産地はまぐりと花ズッキーニのバベッテ¥1,700 左.田口氏自らが細かな方向性まで決めた内装。細部にまでそのこだわりが宿る。壁にはベルルッティの上顧客にだけ贈られる額が飾られている

右.ランチ限定のモルタデッラのハムカツカレー¥850 左上.国産ギアラのトスカーナ風煮込み¥1,300 左下.山形産金華豚のグリリア¥3,000

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