「イタリアのなかで、シャンパンに代わる位置付け」
そう言われているスパークリングワインがあるのはご存知だろうか?
イタリアで最も贅沢なスパークリングワインである、「フランチャコルタ」だ。
現地では洒脱な大人のアペとして身近な存在であり、またお祝いやデートなどここぞの時にも愛飲されている。
今回は、広尾にある『enoteca & bar implicito』のオーナー・松永 聡氏と、その魅力に迫った。
オーナーソムリエ・松永氏が語る、フランチャコルタの美味なる魅力
「イタリアのなかでフランチャコルタはシャンパンに代わる位置づけ」と、これまで3千種以上のイタリアワインを集めた松永 聡さん。
フランチャコルタとは、ミラノにほど近いフランチャコルタ地方で伝統的な瓶内二次発酵の製法をもって造られるスパークリングワイン。
その魅力を、「他にはない果実味の豊かさ」と松永さん。それもフランチャコルタたる厳しい製造規定あってこそ成り立つ味わいとか。
「収穫は絶対に手摘みですし、熟成期間は最低18カ月(シャンパンは最低15カ月)。認定のブドウ品種で手間暇かけて造ったものがフランチャコルタと名乗れます。だから全般的に高いレベルを保てるんです」
そんな泡はイタリアではどんなシーンで飲まれているのだろう?
「一般家庭が普通に飲むものはプロセッコですけど、いいことがあった日はフランチャコルタを飲もうとなりますし、ミラノなど都会のワインバーでは仕事終わりのビジネスマンがアペリティーボとしても楽しんでいます。
ふくよかな果実と同時に酸もあるので、リッチなアペとして大人好みなんですよね。味わいの幅が広いので食中酒としてもよく飲まれます。
生産者とのディナーでは最初から最後までフランチャコルタで6種飲みました」
フランチャコルタはイタリア最高峰の泡酒
選び方においては、「まだそこまで知られていないから、エチケットを見てこれ可愛いと選んでもいい。ブランド的にどうとか気負う必要がありません」とメリットを話す。
では、初めての1本だとしたら?
「初めはヴィンテージのないブリュットがいいのかな。最近だとカ デル ボスコの45エディションが凄くバランスがいい。ああいうのを飲むと、低価格(小売5千円台)でもクオリティの高さが分かるはず」
手の届く価格帯でありながら、華やかさも感じられるフランチャコルタ。次の特別な日にお試しあれ。
覚えておきたい!フランチャコルタの豆知識
1.使われるブドウは基本3種だが、古代品種が復活した
以前のフランチャコルタ協会の規定では、ピノビアンコ、シャルドネ、ピノネロのみが許可されていた。しかし2017年以降は古代品種のエルバマットの許可もおりた(ただし10%以内)。
ピノ・ビアンコの単一品種のみは認められておらず、上限50%と定められている。
2.泡が優しいサテンはフランチャコルタだけのカテゴリー
フランチャコルタにはフランチャコルタ(ブリュット)、サテン、ロゼ、ミレッジマート、リゼルヴァがあり、そのうちサテンは世界で唯一のカテゴリー。
白ブドウ(シャルドネ、ピノビアンコ)のみで5気圧未満の低いボトル圧力によって造られる。
3.イタリアの芸術やファッションと深い繋がりがある
フランチャコルタはイタリアファッション協会公式パートナーであり、イタリアを代表するファッションブランドのほとんどがパーティーでフランチャコルタを提供。
また、オペラの殿堂ミラノスカラ座の公式ワインとしても飲まれている。
50種以上のフランチャコルタがそろう大人の社交場
表参道駅から徒歩20分ほどの場所にある『bar & enoteca implicito』は、今年20周年を迎える。
テーブルでおつまみと一緒に二次会利用するゲストもいれば、スタンディングカウンターでは夕食前に立ち寄りフランチャコルタを一杯飲む大人たちも。
フランチャコルタをはじめとして、数百種類のイタリアワインがそろう。グラス 1,800円〜。
泡が進むアラカルトの料理も好評。写真は「白ポレンタと稚鮎のズッパ」2,000円。
■店舗概要
店名:bar & enoteca implicito
住所:渋谷区東4-6-3
TEL:03-6712-6643
営業時間:【月~金】17:00~26:00
【土】17:00~25:00
定休日:日曜
席数:テーブル18席とスタンディング
【お問い合わせ先】
フランチャコルタ協会
URL:https://franciacorta.wine/ja/