2023.07.03
魅惑的な店がひしめく、四谷三丁目。荒木町・車力門通り。
そのちょうど中間、ほぼ“お隣さん”と言える至近距離に、東京の個性派中華を代表する2軒がある。
「辺境」と「イマドキ」がキーワードとなる名店は、いつもとはひと味違うデートプランに取り入れたい!
1.現地仕込みの素材使いが肝!マニアックな「辺境中華」に触れる
『南方中華料理 南三』
湖南省の唐辛子に雲南省のビーフン、モリーユ茸といった現地の食材をふんだんに使い、さらにミント、どくだみ、木の芽といったハーブ類や自家製の発酵調味料を巧みに操る。
変幻自在、千変万化の味わいは、舌の記憶をどれだけ引き出しても、どれにも当てはまらない。
『南方中華料理 南三』の料理が、“水岡流中華”と言われる所以だ。
その基礎となっているのが、台湾への留学と、中国1周の旅で店主の水岡孝和さんが出合った台南、湖南、雲南など南部地方で食べられている「辺境中華」だ。
水岡さんは休みともなれば台湾を訪れ、とにかく足で食材を探すが「現地の人に聞いても、〝この食材はこうやって食べるものだから〞って、意外と調理法に応用がないんです」と苦笑する。
だから食材をどう生かすかは、ゼロから全て自分で考える。
毎週金曜の営業終了後から土曜日にかけての仕込みでは、頭の中に浮かぶアイデアを実験のように繰り返すとか。
型がないからこそ、問われるのは料理人の腕。オープンから丸5年たってなお、変わることない“南三”に満ちる熱気が、それが本物だと物語っている。
スパイス香る珍味は辺境中華の代表料理
「前菜盛り合わせ」の後に続くのが店の名物でもある「珍味三種盛り」。
鴨舌の燻製、豚大腸のねぎパリパリ揚げ、羊のウイグルソーセージは、いずれもワインと相性抜群だ。
ポルチーニと鮑の相性が格別!
〆には麺類が供される。この日はキノコ大国中国でも愛されるポルチーニ茸のソースを絡めた「あわびのビーフン」。
もちもちの太麺に濃厚なソースと鮑の旨みが絡み合い、絶品!
ジュッ!と油の跳ねる音、えもいわれぬスパイスの香りが漂う店内。
どこかアジアの街角に迷い込んだような、異国の雰囲気が漂う。
■店舗概要
店名:南方中華料理 南三
住所:新宿区荒木町10-14 伍番館ビル 2F B
TEL:03-5361-8363
営業時間:18:00~(最終入店 21:00)
定休日:土曜、日曜、そのほか不定休あり
席数:カウンター2席、テーブル12席
2.中華らしからぬ素材選びが見事!「イマドキ中華」に触れる
『遊猿』
「プライベートで訪れるのは、もっぱら和食店」と話すシェフの大内誠也さん。
食べ歩く中でアンテナに引っかかる食材に出合うと、これを中華に昇華するとどうなるだろうと、頭の中はそのことでいっぱいになるという。
「階下の『車力門 おの澤』さん、近所の『和食と和酒 おがた』さんなど仲良くさせて頂いている店の方々から教わることも多い」との言葉どおり、メニューには白和え、煮穴子といった和の手法を取り入れた1品も多い。
また、どのメニューにも旬の食材が使われているのも、季節感を大切にする和食と同様だ。だが、当然ながら、口にすると中華料理らしいスパイスの香りが広がる。
そんな『遊猿』の神髄を楽しめるのが、和食の八寸に着想を得た「前菜盛り合わせ」だ。
訪れた客の9割が注文する人気メニューで、この日はカツオ、金目鯛、白海老、夏野菜など、旬の素材を使用した中華料理が並ぶ。
見た目は和の趣だが、食べると中華なことに驚く。
「○○系とカテゴライズしたり、王道をきっちり踏襲するのは僕のスタイルではないかな、と」
店は自身の遊び場。『遊猿』という名には、店主の想いが込められていた。
和の「煮穴子」を中華の春巻きに昇華
「穴子と茄子の春巻き」1,012円。
パリパリの皮の中には、煮穴子と茄子と春雨のあんがたっぷり。煮穴子にしてから春巻きにするという工夫に脱帽。優しい甘みが幸せをもたらす。
煮立った鍋は動画映えも抜群!
「はまぐりと黄ニラのピリ辛煮」2,200円。
冬は白子や牡蠣、タラなどに具材を変えて提供される人気メニュー。〆に中華麺をお願いすれば、最後までスープを飲み干せる。
■店舗概要
店名:遊猿
住所:新宿区荒木町6-39 GARDEN TREE 2F
TEL:03-6274-8987
営業時間:【月・土】18:00~(L.O.22:00)
【火~金】ランチ 11:30~(L.O.13:30)
ディナー 18:00~(L.O.22:00)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター6席、テーブル18席
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