2011.09.21
ふらりと行きたくなる、カジュアルな名店 Vol.3二子玉川×パスタランチ Part1
食べるほどに、にっこり笑顔になれるランチタイム。
今、二子玉川の話題店へ
ぶらり、二子玉川を歩く。大きな街ではないが、歩く度に表情がくるくると変わる。駅周辺には今春オープンしたばかりの『二子玉川ライズ』。巨大モールの間には、パリの街角のように洒落たカフェやブティックが並ぶ。さらに、中心部に繰り出せば、石畳風の小路が整備され、柳が風に揺れる小粋な街並み。そして、ゆったりと流れる多摩川沿いには驚くほどに豊かな自然が残っている。
そんな二子玉川で、今もっとも勢いがあるのがイタリアン。多摩川を望む『トキオ プラージュ ルナティック』、柳小路に京町家の雰囲気を醸し出す『イタリアン トラットリア 吉右』、ローマのバールに迷い込んだような『リゴレット スパイス マーケット』……。街の魅力を写し取るかのように多くの店が点在し、競い合っているのだ。
そんなライバルも多いこの土地のランチタイムは、ディナーに向けてのプレゼンテーションの場。手頃な価格に抑えながらも、手打ち麺や軽快なソース、旬の食材で強烈アピール。個性と情熱を感じるパスタランチに、二子玉川の底力を見た。
階段を下りた先、地下に広がる隠れ家風のトラットリア。シェフの阿部竜也氏は、ピエモンテ州などで1年間修業した後、神楽坂の名店『カルネヤ』で腕を揮った実力派だ。
料理は、阿部シェフが得意とする北イタリアの郷土料理と炭火焼き、熟成肉を使ったメニューを中心に展開し、ランチでもその一端を楽しめる。圧巻は看板メニューのひとつの牛舌とポロネギのスパゲティ。ブロードをベースに牛舌の旨み、ポロネギの甘みを引き出したソースが舌にねっとりと絡み、思わず「旨い!」と声が出る。このひと皿のために二子玉川に出かける、そんな価値さえ感じさせるトラットリアである。
スタイリッシュな空間が話題のダイニング。シェフを務めるのはフレンチ出身の小山田弘氏だ。「手間を惜しまず、季節感を大切にした料理を出したい」と言う通り、佐渡から取り寄せる魚や野菜で旬を演出する。
例えば秋鮭のトマトクリームパスタは、一匹丸ごとの鮭をローストしてほぐし身にして使用。オイルベースのきのこと蓮根、茄子のパスタは、一度下味を付けた野菜を用いることで旨みを凝縮。このパスタに加え、野菜たっぷりのスープなどが付いてリーズナブルに食べられる。個人的なニコタマリストに加えておきたい店だ。
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