代々木上原をハイレベルなグルメタウンに押し上げた星つきフレンチ『sio』

2018年に誕生し、その一年後には有名レストランガイドで星に輝いた『sio』は、この街を代表するフレンチ。

代々木上原の街に受け入れられ、愛され続ける理由とは？改めて同店の魅力に迫った！

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「星つきフレンチ」の概念を覆すカジュアルな佇まい

人気シェフゆえ新鮮味が薄れ、1号店の勢いが失われるという話を聞くことがあるが、その点でも『sio』は稀有なレストランだ。

色褪せない最大の理由に、心地よい「抜け感」が挙げられる。

まず、星つき店にありがちな、かしこまった雰囲気をあえて排除することで生まれたカジュアルさが重要。

とはいえ、内装や備品といったディテールにとことんこだわることで、フレンチにはあまりなじみのなかった感度の高い客層を開拓することに成功。

「今も新規顧客が多い」という好循環を生み出している。

細部に宿る、そこはかとないセンスの良さ

クロスを敷かず、サービスプレートも置かないテーブルセッティングがまるでカフェのよう。誰もが快適に過ごせる。

おしぼりは今治「イケウチオーガニック」の最高品質タオル。

店作りにトップクリエイターも参画。

テーブルウェアはプロダクトデザイナー・鈴木啓太さん、壁を飾る写真は『スタックスブックストア』山下丸郎さんが担当。

独創的ながら素材を生かしたコースも巧妙！

この「抜け感」は、料理にも。

五味を複雑に重ねて驚きを表現するひと皿がある一方、例えばすき焼きの甘辛味など、日本人ならどこか懐かしさを覚える味わいをコースに組み込んで、印象に残る仕立てに。

「馬肉とビーツのタルタル」は、開店当時から続くスペシャリテ。

カリカリとしっとり食感の対比が楽しい。

前菜の「蕎麦粉のラビオリ 熟成じゃがいもとタレッジョチーズ」。

生ハムの塩気とウドの苦み、そして千枚漬けの酸味も添えられており、複雑な味わいだ。

チーズと牛乳、塩だけで調味した「sioアイス」。

甘辛いすき焼きの割下を泡状にして添えた「天草黒牛 すき焼き」。内ももを使い、特製焼肉ダレを絡ませて焼き上げた。

料理はすべておまかせコース（11,000円）より。和牛は＋4,400円。

“鳥羽イズム”を継承するスタッフが店を切り盛り！

鳥羽さんのこれらのアイデアは言語化されており、店を離れた今でもそれを理解したスタッフたちがしっかりと実践。

予約が途切れない理由はちゃんとある。

シェフの中村俊也さん（左）を筆頭に、チーム一丸となって“鳥羽イズム”を表現。

店を任されるそれぞれが、お互いの個性を尊重し合うことで醸し出される心地よい雰囲気も、連夜の人気を育む要因だ。

「どんな料理も美味しく作る“ロジック”が僕にはある」

小学校の教員を経て、31歳で料理人に。青山『フロリレージュ』などで研鑽を積み、恵比寿『TACUBO』へ。

同店でスーシェフを任された後、代々木上原『Gris』のシェフに就任。2018年、同店を買い取る形で『sio』をオープンした。

2018年にsio株式会社を創業。『sio』をはじめ、全国でさまざまな飲食店を運営する傍ら、2021年には食のクリエイティブカンパニー、シズる株式会社のCEO兼CSOに。ECや企業へ向けた商品開発でヒット作を連発している。

「目指すは世界進出！アイデアはいくらでも湧いてくる」と意気込む。

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「港区のようなギラギラした感じは嫌われるだろうし、浮ついたトレンドは敬遠される」

そう語る鳥羽さんは、いかにして代々木上原住民に愛されるレストラン作りをしたのか？

東京カレンダー最新号では、オーナー・鳥羽さんの「代々木上原の地で食にかける思い」をインタビューしています！ぜひチェックしてみてください。

■店舗概要
店名：sio
住所：渋谷区上原1-35-3
TEL：03-6804-7607
営業時間：ランチ 12:00～15:00
　　　　　ディナー 17:00～23:00
定休日：水曜、不定休
席数：テーブル18席

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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。