「毎年、年齢に見合った大人になろうと心がけてはいますが、結局中身はあまり変わってなく……。
制服系の衣装のイメージが強いせいか、若く見られることも多いんです。それはそれでうれしい反面、色気ないのかな、私……ってショックでもあって(苦笑)。
今年こそは、年相応の27歳に見られるのが目標です」
「自分の足で立った時、堂々と自信を持てる人間になりたい」
「挑戦できる機会があれば、いろんなことをやってみたい、というのはあります。でも、割とこれまで全部が中途半端なまま終わってしまうことも多くて……」
個人の活動へ話が及んだ途端、声はか細くなり、目を伏せ、歯切れが悪い。先ほどまでの“ネアカ”はどこへ行ってしまったのか。
こちらが戸惑っていると、伏し目のままこう続けた。
「やりたいことは口にしないと叶わない、って頭ではわかっているんです。でも、“アイツ、浅いな”って思われてしまう気がして、いつも躊躇してしまう……」
彼女が言う“やってみたいけれど、手を挙げるのを躊躇うこと”のひとつが美術館での音声ガイドだという。
「注目度の高い展覧会によっては、人気女優さんが担当することでも話題になりますよね。あのお仕事に実は興味があって。
でも、鑑賞の邪魔にならず、耳にスッと入っていくには、知識がまずベースにあり、そこに滑らかな語り口がある。
ただ好きっていうだけでは、到底務まらないと思うので、軽々しく“やりたい”なんて言えないです。そんなの、作品を愛している人たちに失礼だと思いますし」