「なぜ、富裕層は港区に集まるのか?」を徹底解剖!不動産価値が高くなるエリアは…

『港区は地形的にも恵まれたエリアだった』


Q.いつから港区に富裕層が集うようになったのか?


住むこと自体がステータスとなった理由としては、都心にもかかわらず、住宅にできるエリアが多いということが挙げられる。

「不動産業界では、千代田区、中央区、港区を『都心3区』と呼んでいます。東京の中心であり、多くの人が集う場所。

あらゆる土地の用途は、住居、商業、工業に分類されていて、その3つの割合で街の個性が形作られます。それでいうと、都心3区の中でも最も住居が多いのが港区なのです。

都心部の住宅地として考えたときに、最も住みやすく、また住む場所が多い区が港区でもあるのです」

そもそも、これだけ都心にもかかわらず、住宅地が多いというのが港区の特徴にして、魅力だとか。

また、港区といえば坂の多さも有名だが、それはつまり、高台が多くあるということ。都心で高台の平坦な住みやすい場所を探すと、自然と港区に行きつくともいえるのだ。

江戸幕府のお膝元だった麻布・広尾周辺には、大名の屋敷が点在。その多くは南傾斜の高台に建てられていて、その跡地は港区内でも地価が高い。


加えて、「地域の歴史や沿革を知ると、エリアの特徴がよく分かる」と坂根さん。

「港区は昔から、大名屋敷や武家屋敷など大規模な建物が多く、それらが小分けにされず残っている場所でもあります。

例えば、六本木の『東京ミッドタウン』の敷地にはもともと防衛庁がありましたが、その昔は毛利家のお屋敷があった場所で、大きな土地が小分けされずに残されてきた歴史があります。

また、広尾の有栖川宮記念公園は、かつては武家屋敷の庭園でした。

昔の大名は、日当たりの良い南傾斜の土地に木々を植え、池を作って花鳥風月を描き、庭の美しさで自分の位をアピールしていました。後にその庭が公園になり、向かいには公園向きのバルコニーを設えたマンションが建設されるように。

今もこの一帯は、高級住宅エリアとされています」

地政学的にも、また歴史的にも港区というのは住みやすく、富裕層が集う場所だったということだ。

Q.港区のなかでも特に高級なエリアとは?


港区の中でも別格といわれるのが、“3A”といわれる麻布・青山・赤坂エリア。どこも弩級の高級マンションが立ち並ぶエリアだ。

中でも、有栖川宮記念公園付近の南麻布5丁目や、『CICADA』などがある南青山5丁目には目を見張るような豪邸が立ち並ぶ。代々住み続ける人も多く、物件が出ることも少ないのだとか。

「例えば、赤坂は国会議事堂のお膝元であり、政治とともに発展してきた街。青山はクリエイターやアートとともに発展し、現在はファッションの街でもある。

麻布は外国文化が根っこにあって、夜のイメージが強いのはメディア関連企業が多く、深夜まで働く人が多いから……などなど。

街の個性は突然出来上がるものではなく、何かしら歴史上の起点があって積み上がっていくもの。という意味では、港区は非常に凄く個性的で面白いエリアが多いです」

各街の個性が際立ち、再開発などのトピックも多く、今後の発展も約束されている。このような街を他で探そうとしても見当たらないというのが現実だろう。

加えて、歴史や土地の特色から見ても、昔から人が集う場所だったのだ。

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