2012.11.21
TOKYOネオビストロ旋風! Vol.2QUNIOMI le néo bistrot
ガストロの技で
主素材の存在感を引き出す
フランスの星付きレストランで経験を積み、『アディング・ブルー』のシェフを務めた小林邦臣さんが、今年3月に開いたネオ・ビストロ。
鮮やかな青い庇と低い壁の奥にテラスを設えた外観はカフェのような気軽さだ。敢えてカジュアルな内装にしたのは、フレンチはひとりで入りづらいと思われがちなため。しかし本当にカフェと間違われることが多かったため、夏からテーブルにはクロスを掛けるようにしたという。
オープンキッチンから客席を見渡せる規模と、お客様との距離の近さはビストロスタイル。
料理も一見シンプルでビストロ的だが、実はガストロノミックな技が使われている。たとえば仏産ウズラのローストは、パサパサにならないようにクールブイヨンで火を入れてから豚肉のポトフを詰めてロースト。皮はバターの香りをつけてしっかり焼いているが、中はプリッと柔らかく、甘くスパイシーな五香粉の香りがほのかに香る。寄り添うジュ(汁)のソースのやさしさがいい。
黒板のメニューには、よく見ると骨付きエゾ豚やコションドレ(乳飲み仔豚)など、高級店が使う食材もちらほら。前菜のタマネギの中に詰めたエスカルゴも小粒なプチグリ種、最高級品だ。
主素材の存在感を重視したシンプルな料理は、何を食べたか記憶に鮮明に残る。ふたりで訪れれば「またアレが食べたいね」と、共通の思い出ができるはずだ。
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