富裕層の間で高まる、我が子への“海外教育”事情とは


浪人してまでアイビー・リーグに進学しようとしたけれど・・・。TOEFL100点の男が失敗の道を辿ったわけ


コングロマリット化する国内大手の重工業企業で、生え抜きの社員として幹部まで上り詰めた新海雄二さん(仮名、49歳)は部下にも慕われ、順風満帆だ。

唯一の悩みの種は、青山学院の経済学部に通う1人息子のこと。

「小学校受験で初等部に合格してからというもの、これまで内部進学という形で大学まで進んだ息子ですが…。入学早々に休学して、アメリカの大学に行きたいと言い出したのは3年前のことです」(新海さん)

しかも息子が口にした志望校は名門のイェール大学だった。さらにはMBAの資格を取得し、外資系コンサルとして働きたいと将来の夢を語る。

そのためには大学を休学し「受験するための勉強に集中したい!」と、熱い眼差しだったそうだ。

アメリカの大学受験ではSAT(Scholastic Assessment Test)やACT(American College Testing Program)といった、日本の大学入学共通テストのようなペーパー試験を受ける必要がある。

さらに日本人であれば、TOEFLもそれなりの点数が必要となるのだ。

息子は事前に留学に必要な情報を調べてきたようで、ようやく自ら示したやる気を前に、新海さんの喜びはひとしおだったという。

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“超富裕層”だけが通うことのできる、ボーディングスクールの実態


今回取材した綾瀬エマさん(仮名、32歳)も、そうした名門の1つである女子校に通った1人だ。

彼女は教育熱心な両親のもと、都内のプリスクールを経て、モンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園に通った。小学校も、質の高い教育が受けられると評判の有名校出身だ。

一方で綾瀬さんの父親は仕事柄、アメリカへ行き来することが頻繁にあり、彼女も幼い頃から同行してきた。

英語塾に通うかたわら、インターナショナルスクールのサマースクールにも毎年のように参加し、海外を身近なものとして育ったという。

そんな綾瀬さんが、海外留学をしたいと言い出すのは自然な流れだったのかもしれない。中学受験で中高一貫校に入学するも、高校に進学するタイミングで留学を決意する。

「海外に友達を作りたいという思いもあったし、新しい場所で挑戦してみたいという気持ちもあって、高校卒業まで待てませんでした」(綾瀬さん)

両親も特に反対はしなかったという。唯一反対したのは、当初の留学先候補にアメリカがあったことくらいだ。

さすがに16歳になったばかりの娘を、1人で渡米させることには不安があったらしい。

そうして選ばれたのがオーストラリアだったわけだが、留学であれば何もボーディングスクールでなくとも、交換留学という形でホームステイという方法もあったのではないだろうか。

「たしかに同じ日本人が少ないという環境を求めるなら、それでも良かったのかもしれませんが、よりグローバルな環境に身を置きたかったんです。

同世代の人たちと共同生活というのもしてみたかった。それに、行くなら地域の優秀校でなければ意味がなかったので」(同)

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