2013.03.21
佐々木ケイの 「局地的、ケイ散歩」 Vol.2平井
東東京のダークホース
地域密着の良店を巡って。
2013.03.21
佐々木ケイの 「局地的、ケイ散歩」 Vol.2東東京のダークホース
地域密着の良店を巡って。
前号ではスイーツ散歩と洒落こみましたが再び酒場巡り、今回は平井へ。錦糸町や亀戸には行ったことがあっても「平井どこ?」という方は多いはず。私も普段お世話になっているネイリストさんから「私の地元に1軒、いい酒場があるんです」と聞いたのが平井を訪れたきっかけ。3年ほどの付き合いで彼女の呑ん兵衛嗅覚に絶大な信頼を置いていたので即出動、となったわけです。
彼女のオススメが駅南口にある『おでんダイニング ふくろう』。ここのおでん、大山鶏の胴ガラと羅臼昆布で取った澄んだ出汁が上品。3日間かけて煮込む味の染みた大根や軟骨入りの鶏つくねなど種も端正で、スープとのバランスがいいんです。天麩羅に焼き物と一品料理や焼酎も豊富でつい長居したくなる。さすがですな。
さらに歩けばスナックや小料理屋が連なる飲み屋街に『松ちゃん』の看板を発見。メニュー多し、盛りよし、元気よしの大衆酒場は、地元では知られた人気店。駅の反対側では、大阪で10年修業した若き店主が「ほんまもんのたこ焼きを!」と出した『刀鍛冶』が楽しい。小銭握りしめて「たこせん3つ!」なんて子どもをわき目に大人はビールとたこ焼きで一服。
はぁ。平井……楽しかったわ。
生地にしっかり出汁を利かせ、いいタコを使ってまた味を出す。「たこ焼き=ソース味」の概念を覆す浪花流たこやきの店。まずは何もつけず、次に塩をつけて。周りはパリパリ、中がアツアツとろり。たこ焼きはこうでなくっちゃ。12個¥400。テイクアウトもビールと一緒にイートインも可。たこせんもあるで。
平井に30年続く店を二代目の現店主が引き継ぎ10余年。宴会客からカップル、子連れまで老若男女が集う店内に熱気がみなぎる。メニューは100種以上。醤油ダレとねぎやシラスのトッピングで食べるふわとろのオムレツ¥315や、新鮮な豚レバーを使ったしっとりレバカツ¥368など名物多数でリピート必至。
和食店やイタリア料理店で修業した店主が7年前にオープン。一切取材を受けてこなかったが、祝・メディア初登場。店名には「不苦労」そして「福が来るように」とお客さんへの愛が込められていて、店内にもふくろうの置き物がずらり。もやし天やトマトなど変わり種も楽しいおでん盛り合わせ¥1,500 ~。
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