
「人生を狂わす“挫折”もあったけれど…」女優・趣里が実力派と評される理由
個性あふれる役柄を見事に演じ分ける実力派女優・趣里さん。
4歳からバレエを習い始めて高みを目指すが、17歳で挫折を経験したという。
そんな中、出合ったのが芝居だった。
手法は変われども表現し続けることに活路を見出した趣里さんが、“表現者であるということ”について熱く語ってくれた。
趣里さんにとってバレエは生きがいだった。
4歳から習い始め、10代後半には英国にバレエ留学するほど真剣に打ち込んでいたのである。
しかし、無情にも、足の怪我でその人生は大きく狂った。その時は、自分が生きる意味を問うほどに追い詰められたという。
そんな彼女は、今、役者を職業にしている。
絶望の淵に立たされていたときにある舞台を観て、芝居もバレエと同じく人の心に潤いをもたらすと実感。さらに恩師との出会いを果たして、この道を歩んでいこうと決意したそうだ。
当たり前が当たり前で無くなっていく今、改めて自分の役割に向き合いたい
2018年に公開された映画『生きてるだけで、愛。』。この作品で、彼女は引きこもり状態のヒロインを演じた。
そのエキセントリックすぎるキャラクターは、一見、浮世離れしているようにも思えるが、いつのまにか感情移入させられてしまう。
それは、趣里さんがその役柄にしっかり寄り添えていたからに他ならない。なぜ、それが可能なのだろうか?
「自分ではよく分かりません。ただ、ハングリー精神は人一倍あるのかも。毎日、昨日の自分に負けたくない、自分の人生、こんなことで終わってなるものかと思っていますしね。
それと、割と大きな挫折を経験したせいか、誰かを理解したいという気持ちがものすごく強い。
台詞で語らずとも、その人の人生が透けて見えるようなお芝居をしていきたい」
そう話す彼女の眼差しは温かかった。
たしかに、言葉だけがすべてじゃない。これまで大いに葛藤した趣里さんだからこそ、言葉に表れない想いまでも全身で伝えようと一生懸命になれるのかもしれない。
機会があれば悪役をやってみたいそうだが、彼女が演じたら、ダークヒーローだって希望の光になりえる。ふと、そんな気がした。
■プロフィール
趣里 1990年生まれ。東京都出身。2011年に女優デビュー。映画『生きてるだけで、愛。』で引きこもり状態の主人公を全身で体現し、絶賛される。最新作は9月23日公開の『空白』
■衣装
ワンピース 18,920円〈ROSE BUD/ROSE BUD ルミネエスト新宿店 TEL:03-5368-2767〉、ダンスシューズ 11,000円〈CROWN/nest Robe 表参道店 TEL:03-6438-0717〉
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東京カレンダー最新号では、趣里さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
「趣里さんが思う、“いい芝居”って何ですか?」彼女の深すぎるアンサーとは
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