男と女の怪談~25歳以下閲覧禁止~ Vol.31

「最高でも医者妻、最低でも医者妻」夢を叶えた25歳女が、結婚式直前に知った戦慄の真実


春・第11夜「狙う女」


母が、一族医者だらけの父の家に嫁いできたのは、まだ23歳の頃だったらしい。

CAになり、若さと美貌を活かして玉の輿に乗った母。父方の親族からの風当たりが強かったそうだ。

幸いにも父は次男だったので、長男に比べればまだ本家の介入は少なかったらしいが…。

もし父が長男だったら、結婚に反対されて、私たち兄弟は、この世に生まれていなかったのではないかと本気で思う。

名家の重圧を受けて、母は“自分の子どもは、絶対に医者にする”と意気込んだ。その甲斐あって、兄二人は、無事に医学部に進学した。

私はと言えば、中学受験で女子学院、高校受験で豊島岡女子学園に偏差値が足りないのにチャレンジして、案の定不合格になった。結局、スベリ止めだった私立の女子校に進学した。

母は、この段階で、私を医者にするのをキッパリあきらめたようだった。

「お兄ちゃん二人は、無事に医学部に入ったのに…沙耶は頭が私に似ちゃったのね。兄弟も従妹もみんな医者で裕福なのに、あなただけ、生活レベルも住む世界も違うなんてみじめよ。

でもね、この綺麗な顔があるから大丈夫。絶対にドクターと結婚できるわ。

そのためにはOLよりCAがいいわ。沙耶くらい可愛かったら大手エアラインのCAになるのは簡単。そうすれば毎週のように出会いがあるからね」

私は、勉強なんてちっとも好きじゃなかったし、美人でちやほやされて生きたほうが得だ、と気づき始めていたから、母の提案は渡りに船だった。

“女としての価値を上げて、医者の妻になる”、と15歳で心に誓った。

そして母は、そのための10年計画を、私に授けた。

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