エナジーバンパイア Vol.1

エナジーバンパイア:「私の家、近くなの」彼氏がいるはずなのに、誘惑してくる女。理性を失った男は…

知らず知らずのうちに、まるでバンパイアのように男からエネルギーを吸い取る女。

人は彼女のことを、こう呼ぶ。「エナジーバンパイアだ」と。

付き合ったら最後、残された者には何も残らない。それでも自分が踏み台にされていることを分かりつつ、彼女に執着してしまう。

気づけばもう、次なるターゲットのもとに行ってしまっているというのに。

…誰か教えてくれないか。あの子を忘れる方法を。


―えりか。君は今、どこで誰と過ごしているんだろう。

城川裕紀(ゆうき)は元カノのことを想いながら、自宅のダイニングテーブルでぐったりとうなだれていた。

彼女を失ってからというもの、人生のすべてがうまくいかない。夢もお金も何もかも、いつの間にかどこかへ消えてしまったのだ。

こうしてぐずぐずえりかのことを考えていると、身に着けているアルマーニのスーツも、手首に光るロレックスの時計も、自分には相応しくないように感じてしまう。

―こんなことになるなら、彼女に一目惚れなんかしなきゃ良かったな。

裕紀は、何度目か分からないほどの後悔に苛まれるのだった。



それは今から2年ほど前、31歳の誕生日を迎えた頃のこと。

当時は全国展開している大手のジムで、インストラクターとしてトレーニング指導に励む日々を過ごしていた。

徐々にパーソナルトレーニングも受け持つようになり、顧客数全国ナンバーワンという実績も獲得したばかり。

ずっとバスケットボール一筋で生きてきた裕紀は、根っからのスポーツマンだ。だから自分にとって、インストラクターの仕事は天職だと思っていた。

そろそろ固定のクライアントもついてきたことだし、独立してジムの経営でも始めようか。

そう考えていたタイミングで、クライアントとしてジムにやって来たのが、越野えりかという女だった。

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