「モテたくて、慶應に入りました」。山口から上京した男が、直面した厳しい現実とは

今とは違う“何者か”になりたい。

ここ東京では、そんな風に強く願い行動した者のみが掴める、成功や幸せがある。

彼らは「勝ち組」・「成功者」と称され、周囲から、羨ましがられ、時に妬まれる。

しかし、ご存じだろうか。

彼らは、その影で、ジレンマに苛まれ様々なコンプレックスと戦っていることを…。

この連載では、そんな「勝ち組」となった彼らの、その後のリアルストーリーをお届けする。


モテたかっただけの男


名前:浜谷海斗(仮名)
年齢:27歳
職業:IT社長


平日の午後3時。六本木にあるホテルのラウンジに、海斗はラフなスタイルで現れた。

その堂々とした歩き方からは、IT社長特有の自信のようなものが感じられた。

「ごめん、待った?商談ながびいちゃってさ」

海斗がそう言いながら席についた瞬間、つけてくる量を間違えたのだろうか、ブルガリの香水の香りがその場一帯に一瞬にして充満した。

海斗は現在、インフルエンサーと企業をつなぐマッチングプラットフォームなるものを運営しているIT企業の社長だ。まだ立ち上げたばかりで社員は数人しかいないものの、2年前にアフィリエイトサイトやらアプリなどの事業譲渡をしており、その総額はなんと数億円に上るという。

メディアでも幾度か取り上げられているちょっとした有名人だ。

「でもね、僕。ほんの3年前までは山口県で地道に銀行マンしてたんですよ」

IT社長という肩書や出で立ちとは裏腹に、不思議とどこか素朴さを感じさせる海斗がここまで上り詰めてきた経緯を聞いてみた。

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