オトナな男 Vol.6

「実は、付き合ってる人がいるの・・・」自分を好きだと言っていたはずの男の本性とは

女には少なからず人生に一度、“大人の男”に恋する瞬間がある。

特に新入社員時代、先輩や上司に憧れを抱き、社内恋愛にハマる女性は多い。

だが場合によっては、その先にはとんでもない闇が待っている場合も…なくはないのだ。

◆これまでのあらすじ

咲希と圭太の曖昧な関係は続いていた。

そんな中、圭太の「俺だけの咲希ちゃんになってほしい」「別れちゃえばいいのに」という発言を真に受け、咲希は学生時代から付き合っていた悠についに別れを告げた

しかし、別れたことを圭太に伝えても淡白な返答しかされなかった。勢いに任せて振ったことを少し後悔する咲希の行動は…?


―悠、うちらもう別れよ。

勢いに任せて悠に別れを告げた咲希だったが、一人暮らしの部屋に帰った瞬間、寂しさが渦を巻いて襲ってきた。身体に残っている微かな圭太の香りだけが咲希を少しばかり癒す。

ベッドに入ってもなかなか眠ることができず、気づけば圭太にメッセージを送っていた。

「明日の朝、お家に遊びに行っても良いですか?」

今この寂しさを埋めてくれるのは、圭太しかいなかった。

返事はすぐにやって来て、梨江子と会うまでの少しの時間を圭太と過ごすことにした。自分自身の感情をコントロールできなくなっていることにさえ気付けないでいた。



「まだ一晩しか経ってないのに、もう会いたくなっちゃった?」

翌朝、圭太の家にやって来た咲希を圭太は笑顔で迎え入れる。

「ま、俺は大歓迎だけどね」

そう言う圭太は優しく咲希を抱きしめた。シャワーを浴びたばかりなのか、セットされていない圭太の髪はふわふわと柔らかく、咲希の心を締め付けた。

圭太がいれた甘い紅茶をソファで飲みながら談笑しているとき、咲希のスマホが鳴った。悠からの着信だった。

「あ…彼氏…いや、元カレなので出なくて大丈夫です」

そう言ってスマホをしまおうとするが、圭太がそれを制したので咲希は仕方なく電話に出た。

「咲希…!昨日ごめんな、同期と飲み会やってん。別れるとか嘘やんな?」

これまでの悠とは別人のような優しい声。上京する前のあの優しかった悠の声だった。咲希の心は大きく揺れた。この声に何度救われてきたか。圭太の存在が一瞬消えかけ、何かを言おうとした瞬間―。

圭太に後ろからぎゅっと抱きしめられた。咲希の髪を撫でながら、電話をしている逆の方の耳元で圭太が囁く。

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