オトナな男 Vol.5

「彼氏と、別れちゃえばいいのに・・・」男の甘い誘いに乗った女への、酷い仕打ちとは

女には少なからず人生に一度、“大人の男”に恋する瞬間がある。

特に新入社員時代、先輩や上司に憧れを抱き、社内恋愛にハマる女性は多い。

だが場合によっては、その先にはとんでもない闇が待っている場合も…なくはないのだ。

◆これまでのあらすじ

圭太と食事を数回重ねた咲希は、ついに日曜日にもデートに誘われる。遠距離恋愛中の彼氏・悠のことも気になるが、憧れの先輩に誘われた嬉しさで誘いを快諾。

そしてデート当日、圭太の家に誘われる

お昼を食べたのち、咲希は圭太の甘い誘惑に思わずのってしまう。初めて知る大人の世界に咲希は・・・?


「ベッド、行こっか」

圭太が、耳元でそう囁く。その甘い誘惑の言葉に、咲希は小さく頷いた。



ふと目を開けると、見たことのない天井に一瞬、自分の居場所がわからなくなっていた。いつの間にか眠りに落ちていたようだ。

あれからどうやってソファから移動したのか、ベッドで何があったのかー。思い出そうとすればするほど、身体中の血が逆流するような感覚になる。

頭の下に腕の感覚を感じ、我に返ったように圭太の方を見た。

「あ、起きた。おはよう」

目を細めて微笑みながら言う圭太の顔を見ると、さっきまでの時間を嫌でも思い出してしまい、恥ずかしくなる。

「す、すいません、私いつの間にか寝ちゃってたみたいで・・・」

「大丈夫だよ。疲れちゃったんだもんね」

咲希は、現実を受け止めるのに必死だった。圭太はそんな気持ちはもちろんつゆ知らず、空いている手で優しく髪を撫でながら言った。

「本当に可愛い。独り占めしちゃいたくなる」

目を見つめられながら言われ、思わず視線を外してしまう。

「ねえ、俺とこんなことしてるけど、咲希ちゃん彼氏いないの?」

思いがけない質問に、なんと答えて良いかわからず目が泳いでた。

「その感じだと、彼氏いるんだ。咲希ちゃん悪い子だねー。あ、俺も共犯か」

悪い子・・・。その言葉に、忘れかけていた悠の存在が咲希を埋め尽くす。途端に罪悪感で心の真ん中が痛くなった。呼吸ができなくなるくらい、心が痛む。

「でもしょうがないよ。遠距離になっちゃって、連絡しても全然返ってこなくて寂しかったんだよね、咲希ちゃんが悪いわけじゃないよ」

不安でいっぱいの咲希の表情を読み取ったのか、圭太が口を開いた。

「えっ・・・どうしてそんなこと知ってるんですか?」

「んー?なんとなく、かな。見てたらわかるよ」

大人の勘だね、と笑う圭太の顔は相変わらず綺麗で、少し崩れた髪型さえも美しく感じた。

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