2019.09.12
彼女は「今思い出しても笑っちゃう」と言いながら話す。
「教えてくれる先生のセンスが最悪だったんです。肩書きが欲しかったので通っていましたけど。正直、先生から学んだものは何もなかったですね。仲良くなったデザイナーさんやショップスタッフから、学ぶことの方が多かったですよ」
実際この世界、名前が売れているスタイリストでも本当にセンスがある人は一握りだという。そんなセンスがない人でもスクール講師として成り立つのだから不思議だ。
あと、「当たり前と言えば当たり前なんですけど…」と前置きしてから続ける。
「“副業として手軽に独立”なんてうたっていますが、いざ独立しようと思ったら相当な準備や資金が必要です。ホームページ開設や顧客集め、収支の計算とか」
決して手軽とは言えない現実に、多くの人は挫折するという。
「綺麗な主婦やOLさんとかたくさんいましたけど、一緒のクラスだった人の中で独立して今も続いているのって私くらいですよ」
そして、たとえ独立したとしても、実際食べていけるほど稼げるレベルまでいくことは、なかなか難しいとのこと。
ほとんどの人が月収数万円という世界。準備するものも多く、その労力と費やす金額を考えると普通に会社員をしている方がずっと効率よく稼げるという現実がある。
理子さんの場合は、もともとコンサル業をしていたこともありビジネスプランを立てるのは得意だったこと、人気ブログに固定ファンがついていたため、比較的スムーズに独立することができた。しかし、ほとんどの人がそのハードルに躓くという。
あることがきっかけで、副業が本業一本に
「初めはいきなり独立するのは怖かったので、週末フリーランスという働き方から始めました。でも、土日しか動けないということになると、ビジネスの幅がかなり狭くなってしまうんですよね」
週末だけといっても、自宅のサロンで、カラー診断やメイクのレッスンを行ったり、お買いもの同行をしたり、お客さんのご自宅に出向いたりと大忙しだった。
しかし、スタイリスト一本で食べていく自信はまだなかった当時、強制的に副業を本業にせざるを得なくなった出来事があった。
「今だから言えますけど、会社が副業禁止だったので、当初は、スタイリストの仕事はこっそりやっていたんです。でも、ブログが会社にバレてしまって。ある日、上司に呼び出されて、真相を尋ねられました。その時に勢いで『仕事辞めます』って言ったことが最終的に一本にしぼるきっかけになりました。29歳の時でしたね」
当時は会社にバレたことが残念だったが、今となってはバレたことに感謝しているという。その時に覚悟を決めて一本で食べていくと決意できたから。今では会社員だったころの給与を遥かに上回る収入を手にした上に、自由な時間もある。
「最近はインスタなどSNSで顧客集めするスタイルが流行っていますけど、私は時代がちょっと前だったこともあり、地道にブログを更新したり、自分の仕事内容の記事を書いたメルマガを発行したりして顧客を集めてきました」
彼女のその地道な努力が実を結び、リピーターが増えていったという。
「もともとブログを読んでくれている人がたくさんいたので、その中から今お客さんになっている方も多いです。そして質の高いものを提供することで、リピーターと口コミで広がるようなシステムを作り上げましたね」
口コミは、悪い噂も広まると早いので、お客さんが満足いくサービスを提供できるように最善を尽くしているとのこと。
現在、理子さんは、スタイリストとしての仕事は続けながら、同じように独立したい人からの相談も舞い込んでいるという。もともとコンサル業界で働いていたこともあり起業コンサルとしての仕事も並行して行っている。
最後に、これから同じように女性向け資格で独立を目指す人にアドバイスがないか聞いてみた。
「特に最近は、スピード感が大事になってくると思うので、上手くいっている人のビジネスモデルを後追いではなく、自分が時代の先駆者になるつもりじゃないとやっていけないと思います」
また理子さんが何より大切にしていることがあると言う。
「最終的には地にしっかり足をつけてブレない信念と、地道な努力が必要ですね。誰でもできるようなレベルで独立したら、絶対に失敗すると思います」
そうきっぱり言い切る理子さんは、キャリアウーマンの顔をしていた。一見華やかに見える資格といっても、どの世界でも成功する人は自分のビジネスに真摯に向き合い、そして地道にコツコツ努力できる人なのだろう。
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