怪女-カイジョ- Vol.2

怪女-カイジョ-:自分のテリトリーを徐々に浸食してきた、不気味な女…。得体の知れぬ恐怖感の正体とは

何かを隠した笑顔


「わぁ…綺麗…」

美香から思わず感嘆の声が漏れる。そこに入っていたのは、カラフルで見た目にも美しい『LOUANGE TOKYO』のエクレアートショコラプレミアムだった。


「お二人とも甘い物がお好きだって聞いて…。これ、私も一目見た時から気になってたんです」

「ありがとう。食後のデザートにいただくわ」

そのセンスの良い手土産に、美香は素直に喜んだ。同時に先日のような数万円もする物ではなかったことに、ほっと胸をなでおろす。

その後、美香が用意していた料理をテーブルに並べると、「すごい。これ、お義姉さんが作ったんですか?美味しそう!」と恵里奈はしきりに褒め称えた。

それは嫌味やお世辞で言っている感じではなく、心から思ってくれているように聞こえ、美香の警戒心は徐々に解かれていった。

ーなんだ、すごく良い子じゃない…。やっぱりこの間の私の感覚がおかしかったんだ…。太一君を実の弟同然に思っていたから、変に勘ぐり過ぎてたのかな…。

彼らとの食事は想像以上に楽しかった。譲は先日恵里奈からもらったワインを開け、その豊かな香りと味を堪能し、上機嫌だ。

普段は口数の少ない太一もほろ酔いになったおかげか、いつもより饒舌だった。恵里奈も彼らにつられ、話が弾んで話題が尽きない。

「このお家、本当に素敵…。ね、太一さんもそう思うでしょう?」

「そうだね。僕はあまり家には興味なかったけど、確かにここは居心地が良くて好きだな」

「ありがとう。なかなか良いだろう?結構色々と注文つけたからな」

ダークブラウンの木の壁や石畳が映える、白と黒をメインとしたシンプルで高級感のある外観。内装はそれに合わせて、木の風合いを活かしたお店のような作りになっていて、譲達の希望が全て詰まっている。

譲は美香以上に家のデザインやインテリアに拘りがあり、そこを褒められて満足げに答えた。

「どちらの住宅メーカーにお願いしたんですか?太一さん、せっかくだから私たちも同じところにお願いしようよ。場所も学芸大学辺りがいいな。お義兄さんたちと近いと何かと楽しそうじゃない?」

恵里奈は、はしゃぎながら太一に提案するが、太一は少し困った顔をした。

「この辺りか…。それはちょっとどうかな…?今の僕の給料ではとてもじゃないけど建てられないよ…。それにこの家って、有名なデザイナーさんにお願いしたんだろう?」

「あぁ、仕事で縁があったデザイナーさんにお願いしたんだ。確かにちょっと値は張ったな…。なんだよ太一、給料が少ないって俺への当てつけか?」

譲が場を和ませようと冗談っぽく言う。太一も「もう少し上げてくれても良いんだよ?」と笑いながら返した。

「まぁ、職場からもっと近くて良い所もいっぱいあると思うし、これからじっくり恵里奈の気に入る物件探そうよ」

「そうね、この辺りじゃなければ、もっと安くて素敵な建売もたくさんあるしね」

美香がそう言うと、「そうですね」と恵里奈が微笑む。

ーゾワッ…ー

彼女の顔に美香の体が、そう無意識に反応する。それは、先日見たお面のような何かを隠した笑顔だったからだ。

この記事へのコメント

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No Name
「気味の悪い笑顔」だけで話を引っ張っていて、
話が先週と変わっていない。
で、何?とジレジレする。
2018/10/15 05:2499+返信15件
No Name
変な女の話多いな!
ひとみ、涼子、、、
2018/10/15 05:2999+返信24件
No Name
自撮りして「自宅です」インスタアップ?いやそんな一発でバレる嘘つかないよね。何してるの?ヨガレッスンなんてどうやって調べたんだろう?LINEと違って弟君の知ってる話じゃないよな、気味悪い。
2018/10/15 05:1773返信2件
No Name
いい場所のステキな家に住んでる人から、安い建売薦められるのなんかやだな。笑
2018/10/15 09:2843返信4件
No Name
話したいことの予想がつかない!!!
女が違和感感じたら、ほぼ当たりだと思う。
2018/10/15 07:0540返信2件
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