バツイチのおじさんに惹かれていく。恋愛偏差値だけは低かった丸の内OLの恋の行方(2/3)[東京カレンダー

丸の内おじさんを追いかける恋

池田の丸の内歴は長い。大手証券会社で働いたのち、戦略コンサルタントへ転職。その後、香港駐在を経て、今はうちの会社でパートナーを務めている。香港から戻ると、元奥さんとは、彼女の再就職を機に別れたのだとか。

21歳も歳上だし、まさかつき合うとは思わなかった。でも、彼女はいないという噂を聞いて、実は誘われる妄想はしていた。

突然の急接近は、私が体調を崩したことだった。夏風邪をこじらせて喘息が再発。会社に行っても咳ばかりしていた。

「大丈夫？無理しないように」

社内でそう声をかけられ、翌日は会社を休んだ。家で寝込んでいると、池田からSMSが入った。

―病院には行きましたか？―
―病院には行きましたか？―

なぜか同じメールが2件。重複していることを伝えると、返信で携帯が鳴った。

―すみません―
―すみません―

真面目な上司がちょっとかわいく見えた瞬間だ（ちなみにアカウント設定が原因らしい）。それから、病院に関するやりとりがあり、5往復ほどで終わった。

その翌日も休んでいると、また私の体調を気にするSMSが池田から届いた。絶不調で甘えたい気持ちが高まり、いくつかのメールのあと、最後にこんなメールを送ってしまった。

―治ったら飲みに連れていってくださいね―

そして、池田は約束どおりワインを飲みに連れていってくれたのだ。約束の日、いつもよりメイクを頑張って会社に行くと、先輩から「今日はデートでもあるの？」と池田の前で言われて顔が熱くなった。