リスクを嫌う男 Vol.2

リスクを嫌う男:女には皆、裏の顔がある。超絶好みな25歳小悪魔美女のリスキーな私生活

横暴な美魔女


「急にお呼び立てしてごめんなさいねぇ〜。どうぞ、こちらに」

田所紗英のサロン(赤坂店)は、赤坂見附駅近くのビル地下にある。

狭いスペースではあるがウッド調のインテリアで統一された空間は居心地がよく、アロマオイルの香りに心がほぐれる。

「お昼はもう食べました?これ、良かったら」

田所紗英は、先ほどの電話と同じ人とは思えぬ柔らかな物腰で保を迎えてくれ、奥のキッチンで用意したのだろうか、笹の葉に包まれたおむすびとお味噌汁を出してくれた。

…保はすでにお昼も、スイーツまでも済ませているが、そんなことは彼女の前で言ってはならない。

「わあ、うまそう!ありがとうございます」

笑顔を作って礼を言うと、田所紗英は嬉し恥ずかしといった表情ではにかむ。

−こうして会えば、可愛らしい人なんだけどなぁ。

実際、美しい女性なのだ。40歳をとうに超えているが、外見は非常に若々しく、30代にしか見えない。

「どうされたんですか。緊急事態…?」

味噌汁をすすりながら、保は本題を切り出す。

すると、すべてを言い終える前に田所紗英の声がかぶさってきた。

「それがね」

少々芝居がかったそぶりで急に真顔になった彼女は、再びマシンガンのように話し始めた。

「実はこの間…胃に腫瘍が見つかったのよ。精密検査をして良性だとは言われたんだけど、急に不安になっちゃって。

だってほら、私が倒れたらこのお店は?従業員にもものすごい迷惑をかけるし…

そもそも、彼氏のせいなのよ。前に話したかしら…彼のこと。

結婚する予定だったのよ。彼の離婚が成立すれば、ね。それが本当に突然よ、妻が妊娠したとか言い出して。意味がわからない。

しかもその妻ってのが、私、写真見たことあるから知ってるんだけど全然綺麗じゃないのよ。顔もまん丸で…私の店でコルギしてあげたいくらい。それでね…」

−医療保険、追加しますか?

保としては、ただその一言を告げたいのだが、彼女の言葉は途切れることを知らない。

彼女の彼が妻帯者で、その妻が不美人であるなどという情報に何の興味もわかないが、時々「あー」とか「ええ!?」とかいう言葉を発しながら、保はひたすら聞き役に徹した。

この記事へのコメント

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No Name
浪費癖ある相当馬鹿そうだけど、男に寄生して買ってもらってる港区よりマシ。
2018/03/05 05:5999+
No Name
原井美里 はらいみさと
石原さとみをもじった名前でしょうか
2018/03/05 07:1799+返信1件
No Name
でも25歳で気付いて、まだ利口な方かも!
2018/03/05 06:5196返信1件
元保険プランナー
元同業者として楽しく読ませていただいています。
腫瘍が見つかったら、医療保険は追加できないですけどね‥。
2018/03/05 07:2854返信4件
25歳一人暮らし女性
25歳で貯金0ってやばいのでしょうか…?
2018/03/05 05:5928返信7件
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