渋谷のど真ん中で“新しすぎる生き方”を試みる若者に、とりあえず話を聞いてみた

彼らが暮らす部屋の一例。ゆったりした間取りが特長。基本的に部屋は開けっ放しにしており、住民同士が行き来するというから驚く

—どうして、このような皆様が集まったのでしょうか?

藤代「もともと僕がこのプロジェクトのコンサルをしていた流れで、13階に住むことになり、知り合いのクリエイターに声をかけていきました。『Coファミリー』と呼んでいますが、拡張家族であり協同組合でもある、共に暮らし働くスタイルを模索中です。

核家族化とサラリーマン化が進む時代の中で、大きな家族と小さな組織に還っていく生き方です。石山さんも僕の考え方に共鳴してくれた一人ですね」

石山「私は、シェアリングエコノミーという概念を広める活動をしていく中で、今の社会に人との人の繋がりの重要性が増していることに気づいたんです。

これまでは家族や恋人が、そうした幸せを感じる人間関係の最たるものでしたが、今の世の中は必ずしもそれだけが全てではない、と。むしろ、新たな繋がりを持つ新しい生き方、というものに興味を持ったんですね。

物質的に豊かだけど、一方で幸せを感じづらい。そんな都会の真ん中で、新しい体験ができるってスゴく面白いな、と思ったんです」

石山アンジュ氏
世界各国のシェアサービスを体験し、新しいライフスタイルを提案する、政府公認内閣官房シェアリングエコノミー伝道師。シェアリングエコノミー協会渉外部長、クラウドワークス経営企画、他に総務省地域情報化アドバイザーなど兼任。実家がシェアハウス。生粋の“シェアの申し子”

—なぜ、渋谷なんでしょうか?

藤代「そうですね。311以降、日本中に新しい暮らしを求めるコミュニティは生まれつつあります。田舎に移住して、自分たちで開墾して、自給自足してという形です。

地方だと、それだけで完結してしまうけど、渋谷でそれをやることで、社会に対しての投げかけができると思っています。大手企業とコラボしたり、市民が自分たちの生活から街づくりに関わるようになったりすることができます。

また、渋谷は市民が新たな試みに挑戦しやすい場所です。企業や行政も柔軟で、市民の活動をよりインパクトの大きいものにしてくれるのが醍醐味ですね」

石山「渋谷って東京の中の唯一の都市という感覚があります。新旧のビジネス、ファッションにカルチャー、そして外国人にとっての観光地でもある。全てが完結している街だからこそ、新しい試みがしやすいんだと思います」

丸山「渋谷って、やっぱり発信する場所ですよね。世界の都市を見れば見るほど、渋谷は常に何か文化が生まれ、発信している。だから、僕らが実験台になって、また新しい文化、生き方を発信できるのはとても楽しいですね」

テラスからは渋谷の景色が一望できる。住民同士のパーティーも頻繁に開かれているそう

—この実験を通じて、一番伝えたいメッセージは?

藤代「シェアハウスとかコーワキングスペースってゆくゆくは自立したい人たちが集まるイメージがあります。そうではなくて、自立した人同士があえて一緒に生きることはとても豊かである、ということを伝えたい。

時間や収入やスキルがある人が共にいることで、助け合い、大きな夢を見ることできるんです」

—長く東京のカルチャーを牽引してきた渋谷だからこそ、斬新な文化が生まれる。渋谷発の “新しい生き方”に、今後も注目したい。

SHIBUYA CAST

賃貸住宅は1Rから3LDKタイプまで80戸。現状、13階について、一般募集は行われていない。14階から16階については空室が出次第、専用サイトにて更新。

1階には『THE RIGOLETTO』などの人気の飲食店やシェアオフィス、カフェなどもあり。建物前の広場では、頻繁にイベントも行われている。

Photos/Osami Watanabe

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