最旬の美味! 勢いに乗る実力派の現在の皿 Vol.3

Italian The present dish

東京カレンダーが考える、イタリアンの最前線

パッソ・ア・パッソ

Special dish
熊肉のロースト

これぞと思った食材があれば、即、生産者に会いに行く。春には山菜摘みやタケノコ掘り、初夏には田植え、秋には稲刈りや茸刈りにと自ら山や田畑にも出て、その恵みを皿で表現する。よく知る人が『パッソ・ア・パッソ』のことを「お宝食材のショーケース」と呼ぶ所以だ。とりわけ楽しみなのは、ジビエのシーズン。例えば長野県飯田産月輪熊の肩肉を使った、「熊のロースト」。

熊が秋まで食べていたナツハゼの果汁と蜂蜜でマリネし、焼き目を付けた後、低温でゆっくり火を入れていく。赤ワインのソースにもナツハゼを使用。食材と産地の自然を熟知する有馬邦明シェフならではの表現だ。蜂蜜のほのかな甘さを纏い、噛むほどに肉汁が湧き出す熊肉には深い香りがあり、甘酸っぱく濃厚なソースがぴたりと寄り添う。何よりこのひと皿に、長野の森の自然の豊かさ、そこにある命の営みが写し出されていることに心動かされるのだ。 コース¥10,500よりのひと品

Rossi

Special dish
鯉の洗いと木の芽のペーストの冷製フェデリーニ

「香り立つペーストを作りたい」。そう思い立った岡谷文雄シェフが、木の芽のペーストを完成させたのは5年ほど前、表参道『フェリチタ』のシェフをしていた時のこと。蕗の薹など様々な食材で試したが、木の芽と実山椒、グリーンオリーブ、ケッパーで作るこのペーストが一番しっくりきたという。肉にも野菜にも使うが、これぞと推すのは、「鯉の洗いと木の芽のペースト冷製フェデリーニ」。

「鯉でパスタ?」と驚くが、ぷりっとして淡泊な鯉の洗いに、鼻に抜ける香りが爽やかなペーストがよく合う。湯引きして添えた皮にも旨みがたっぷり。バターやクリームを使わず、素材の味を活かした軽やかな料理で知られる岡谷シェフだが、その哲学を象徴するかのようなひと皿。ニンニクは一切使わず、オリーブとケッパーの塩気で味を決めている。一度味わったなら、きっとこの鯉のパスタに恋するはずだ。コース¥7,350よりのひと品

有馬邦明

Kuniaki Arima

1972年生まれ。トスカーナなど北イタリアでの修業を経て、2002年、門前仲町に『パッソ ア パッソ』をオープン。日本各地の力強い食材を使ったイタリア料理を提供。生産者からの信頼も厚い。

岡谷文雄

Fumio Okaya

イタリアから帰国した後、1993年に六本木『ロッシ』開店。北イタリア各地の料理を紹介。1999年より11年間『フェリチタ』のシェフを務め、2011年9月、麴町に新生『ロッシ』を開業させた。


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