※この店舗は現在、銀座に移転しています。店舗情報は記事の下部よりご確認ください
簡略化が進むこのご時世にあっても、人をもてなすときは1分たりとも手を抜きたくない。赤く輝くシャンデリアに革張りのソファが置かれたラウンジで一拍。その後、案内されて席に着くまでに通り抜けるセラーには五大シャトーやロマネコンティなど、これ以上ない銘醸ワインが眠っている。静かに冷たいカウンターは大理石。そう、『AZUMAN麻布十番』が贈る王道の贅沢は、どんな時代にも人を高揚させてくれる。
さて、この店の贅沢の最たるものが料理である。フランス料理、日本料理、さらには肉を焼く専門職人がそれぞれ腕を揮う。とりわけ肉はゲストの目の前で、個室を含む全ての席に七輪をセットし、丁寧に焼いてくれる。肉はA5クラスの仙台牛のみ。肉を焼いては30年、仙台牛を扱っては20年になるグラン・シェフ、佐藤弘明氏は言う。「炭火で焼くと余分な脂が落ちますし、煙で燻すから肉に良い香りが付くんです」
ひと口大にカットされた肉は食べるペースに合わせて順番に焼かれるため、常に熱熱。塩とワサビを添えて、または大根おろしとレモン醤油と一緒に口へ運ぶもよし。災害に遭った宮城県の中でも牧場が山間部にあったため、牛たちは幸いにも無事だったという。天から授かった味は尊い。
東京美食MAP 10の街 麻布十番、肉タウン
『スーパー ナニワヤ』や『日進ワールドデリカテッセン』など、 肉で定評を得ているスーパーが日常に根付く街、麻布十番。 当然、肉料理に特化したレストランも多数。粒ぞろいの肉の名店をご紹介。
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