表紙カレンダー Vol.24

「好感度なんて気にしない」。やりたい仕事にとことん邁進する菜々緒の仕事観を聞いてみた


とはいえ、最初のうちはこんなに悪役ばかりで、女優として、この先、大丈夫だろうかと心配したらしい。

だが、彼女は自分がネガティブな思考の持ち主だとよくよく自覚していた。だからこそ、ポジティブに捉える癖を付けた。オファーされたらすべて引き受け、とことん突き詰めてやってみようと腹を括った。

だからだろう。彼女が過去に扮した役柄はどれも鮮やかな印象を残している。脚本の段階でもある程度は作り込まれていたに違いないが、彼女が根っから楽しんでやったからこそ浮き彫りになり、画面から匂い立ってきたはずだ。

15秒のCMにしてもそうだ。携帯電話の某CMに登場する菜々緒版の乙姫は超ドSなツンデレキャラで、見れば脳裏に焼き付いてしまう。


「自分に振られた役と素の自分との振り幅が大きければ大きいほど楽しい」と彼女は言った。それを聞いて、コメディからサスペンスまで縦横無尽に演じきった往年の大女優、若尾文子さんが過去に似たような発言をしていたのが思い出された。

2017年、菜々緒さんはドラマ『A LIFE 〜愛しき人〜』で病院の顧問弁護士、『ボク、運命の人です。』で等身大の明るく元気な女性を演じた。そして、NHKの大河ドラマ『おんな城主 直虎』では徳川家康の正室に抜擢。目下、家康役の阿部サダヲさんとコミカルな掛け合いを披露している。

「悪役だけではなくなってきて、自分がどっちへ進めばいいか、迷路に入り込んだ気分」と苦笑するが、そうなってからがまさに女優の本領発揮。次は一体どう化けるのか、期待したい。

■プロフィール
ななお 1988年、埼玉県生まれ。2009年より本格的に芸能活動を始める。現在はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で徳川家康の正室・築山殿(瀬名)を好演。出演映画『銀魂』が公開中。数々の広告でも活躍している

■衣装
ドレス ¥92,000〈sacai TEL:03-6418-5977〉、シューズ〈スタイリスト私物〉、ピアス ¥300,000、ブレスレット ¥180,000、リング ¥126,000〈すべてべルシオラ TEL:0800-300-3336〉

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