エーデルワイフ Vol.6

「子どもは好き?」初デートでの質問に感じた、大きな違和感

結局、会いたくなるのは…


21時過ぎに店を出た後、清澄白河にあるのだという彼のマンションにさりげなく誘われたが、「明日朝早いので」とお決まりの文句で断った。

紹介してくれた後輩・あずには申し訳ないが、正木とはもう会うことはないだろう。

彼の要望に千晶は応えられないから、正木にとってもその方が良い。

ひとりになると心底ホッとして、隅田川沿いをのんびり、浅草駅に向かって歩いた。

馴染みのない場所だが、見覚えのある風景だと感じて、ふと思い出した。

そうだ、あれは2年前、涼ちゃんと隅田川の花火大会を見に来たことがあった。

想像を絶する混雑で駅はパンク状態、タクシーも全く拾えなくて、帰りに2駅ほど隅田川沿いを歩いたのだった。

暑さと人の多さでふたりとも疲れ切っていたけど、涼ちゃんはずっとくだらない話をして千晶を笑わせてくれた。

夜風に乗って届く水音が、センチメンタルな気持ちにさせるのかもしれない。過去に思いを馳せていたら、無性に涼ちゃんに会いたくなってしまった。


隅田川のほとりで、千晶はスマホ片手に立ちすくんでいる。

画面には、涼ちゃんのLINEトーク画面。そこにさっきから文字を打ったり、消したりしている。

もう二度と自分から連絡はしないと誓ったのだけれど、そんな誓いに意味があるのか、もう自分でもよくわからない。

結局こうし......


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