私は、毛並みのいい子たちが揃う、某ゴルフサークルに目星をつけていました。有名読者モデルが所属していて、可愛い子とイケメンが多いことでも有名でした。ミス輩出サークルとしても有名で、卒業生には、女子アナも何人かいます。
イチョウ並木のランウェイを歩きながら、三流サークルの誘いは、適当にあしらいながら、ゴルフサークルの勧誘を待っていました。
自分から入りたいなんて言うのは、二流の女のすることです。サークルの男性から、お願いされて懇願されて拝み倒されて「そこまで言ってくれるなら・・・♡」と首を縦にふる。そうして迎え入れられたサークルで、1女として姫のように丁重に扱われ、そして、ミスコンに推薦される・・・
私の華の大学生活が始まる完璧なシナリオでした。
サエコと会ったのは、そのときです。
目当てのゴルフサークルの看板が見えて、私の心拍数がにわかに上がりました。うざいナンパと、地味な卓球サークルの勧誘を愛想笑いでかわして、ゴルフサークルの集団の前にさしかかり、歩幅を縮め、心なしゆっくりと歩きました。
私からは、直視しないように、でも、しっかりと彼らから私という存在がキャッチできるように・・・
と優しい配慮をしたのに、声がかかりません。
このままじゃ通りすぎてしまう、そう思った私は、方向転換し、ゴルフサークルの方向へ視線を投げかけました。
男たち数名がいたものの、誰もこちらを見ていない。このボンクラども・・・心の中で悪態をつきながら、一歩歩み寄ったとき、男たちの輪の中心にいる、一人の女・・・
それがサエコでした。
この記事へのコメント
女の戦、2話目にして早くもヒートアップ🔥
引き続き、当時のざわつきをご堪能ください📚🫧