バルージョ麗子 Vol.9

バルージョ麗子:もう迷わない。大事なのは「自分の心に従う」こと

女の幸せはキャリアか?それとも結婚か?

婚活に燃える同僚、キャリアに突っ走る先輩の間でどちらも選びきれない32歳の麗子。彼氏ナシ。

そんな彼女を癒すのは、その麗しき名前に似合わない?賑やかなバルでの心地よいひと時。「お酒を飲んでいる時間がいちばん楽しい!」と、現実逃避のごとく、今宵も一人、素敵なバルを探して東京を彷徨う。

悩みに悩み、軽いうつ状態になっていた麗子は、祐二に誘われバルへ。河村のことを相談すると祐二は「人を条件で選ぶなんておかしい」と麗子を一蹴する。おかげで自分らしさを取り戻す麗子。仕事か結婚か。果たして最後に選ぶのは……。


祐二と朝まで飲んだ翌朝


今朝はひさしぶりに明るい気分で目が覚めた。昨日『grigio』に行く前は自己嫌悪で潰れそうだったのに。心に蓋をしていたところを、祐二がこじ開けてくれたおかげで、モヤモヤしていたものがはっきりした。

麗子はマキネッタを取り出し、学芸大学の『ストリーマーコーヒー』で買った豆でカフェラテを煎れる。ずいぶんおいしく煎れられるようになってきた。そういえば、祐二の家で飲んだラテはカフェ並の仕上がりだった。今度会ったらコツを聞いてみよう……。

遅い朝食を食べながら、麗子は河村に昨夜のことをどう伝えるべきか考えた。ようやく決心して電話をかけてみたが、数回コールが鳴った後、留守番電話に変わった。夜まで待っても折り返しはなく、LINEを送ることにした。

ーーーーー

昨日のことを謝りたくて連絡しました。
一緒にいたのは友人です。
彼とあそこに行ったのは本当に偶然のことで……
誤解を与えてしまったのなら申し訳ありません。

実は、あることで落ち込んでいたのですが
暗い顔で河村さんにお会いするのもどうかと思い
昨日は仕事だと嘘をつきました。

とにかく、気を悪くさせてしまって、ごめんなさい

ーーーーー

ほどなくして、返信がきた。

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メールありがとう。
それなら相談してくれればよかったのに。

正直、ここのところお会いしても上手くかみ合わないと感じることがありました。
僕は時間をかければいいと思っていましたが……
きっと麗子さんも同じだったんですね。

仕事お忙しそうですが、お体にお気をつけて。

ーーーーー

もう会うことはないだろう。河村は最後の最後まで紳士的だった。こんな人と一緒にいればきっと幸せになる。最初に抱いた印象は最後まで変わらなかった。ただ、残念ながら麗子とは合わなかった、というだけの話だ。

河村のLINEを読んだ麗子は、スマホの画面を静かに伏せた。

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