2016.06.29
国税庁による昨年11月発表の「民間給与実態統計調査」によると、2014年の給与所得者数の平均年収は415万円。
転職口コミサイト「転職会議」が、この数字をもとに30~40代の会社員の男女184名を対象に離職理由を調査したところ、なんと離職の理由は平均年収層と高年収層で大きな違いがあったことが判明!
転職をしても平均年収層に留まっている貴方! "そんな理由”で転職をしているかぎり、何度転職しても高年収層への道はない!!
■まずは離職理由の特徴を、平均年収層と高年収層で分けてみた!
平均年収層と高年収層の大きな違いとは、果たして……
<調査データ>
調査対象:30~40代の会社員の男女(全国)
調査期間:2016年3月22日~23日/マクロミル
サンプル数:184人( 複数回答可)
◆年収別離職理由はこちら
平均年収層:「現状の人間関係」、「労働時間・環境」に不満を持ち離職。
高年収層:「キャリア/スキルアップ」、「裁量/権限を得るため」、「経営方針・経営状況の変化」を見極めての離職。
平均年収層の過半数が「人間関係」に不満!
離職理由で最も多く選ばれた「人間関係」。これは平均年収層と高年収層ともに離職理由の1位であった。
しかし、それを選んだ割合に着目すると、平均年収層は過半数となる52%が選んでいたのに対し、高年収層は34%で留まっている。
さらには、平均年収層では上司と同僚に対しほぼ同程度の不満を抱いてたようだが、高年収層では上司のみへの不満を挙げる人が多いようだ。
また「待遇(給与、福利厚生)」についての不満については、平均年収層(2位:37%)、高年収層(同率1位:34%)と大差なし。
高年収層は「キャリア/スキルアップ」や「裁量の向上」「会社の将来性」を重視
高年収層では、「キャリアアップ・スキルアップをはかるため」(26%)、「会社の経営方針・経営状況が変化」(26%)が同率3位にランクイン!それに対し、平均年収層ではそれぞれ7位(15%)、8位(11%)に留まっている。
高年収層は、中長期的スパンで自身のビジネスライフを考えていることが伺える。
一方、平均年収層の3位にランクインしたのは、「労働時間・環境(残業、休みのとりやすさ)」。4位の「評価への不満」理由とは、13%近くも引き離している。つまり、現状の労働環境から脱出したいという短期的希望の方が、中長期的影響よりも勝っていることが読み取れる。
■続いて両者とも1位となった「人間関係」について、さらに分析!
次は、年収の多少に関わらず、離職理由の1位となった「人間関係」について、 実際に転職会議へ投稿された口コミを基に分析した結果をみてみよう。
<調査データ>
調査対象:30~40代で年収400万円以上の男女(全国)
調査期間: 2016年1月~4月/転職会議
調査方法:「退職理由」カテゴリに書き込みのあった「1,199口コミ」をテキストマイニングにより分析
◆転職理由1位となった「人間関係」に関する具体的内容をピックアップ
平均年収層:「上司による評価への不満」が高年収層を上回る
高年収層:「トップダウンである」が平均年収層との間に大きな違いがでた
「上司による評価への不満」が噴出!
・出世するかしないかは上司との相性次第。営業結果ではなく、飲み会大好き、自分大好き、という社員が出世する傾向にある。(30代、派遣コーディネーター、女性)
・数字や成果を求められる仕事ではないため、全て上司へのアピール次第で評価などが決まる。上司に気に入られなければ評価に繋がらず。(40代、管理系事務職、男性)
・評価対象者である上司に対するアピールやパフォーマンスが上手な人の評価が高く、地味にコツコツ派の人は不向き。(30代、商品企画、女性)
・上司に好かれない限り、何年働いても給料を増やされず、重要なポジションも与えられない。(30代、広告・宣伝、男性)
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平均年収層が考える、主な"上司への不満"は以上の通りであった。自らが解決しようというスタンスより、上司のスタイル変更を希望する依存型の見解が多くみられる。
上司への不満はありつつ「どう立ち回るか?」の意識が強い。
・日頃から上司とコミュニケーションを取り、自分の業務内容を理解しておいてもらわないと、良い評価は貰えない。だが、逆に根回しをしっかりしておけば、成果がイマイチであってもそれなりの評価が貰える。(30代、研究・開発、男性)
・最初は先輩がしっかり面倒を見てくれるため、そこで人間関係を作れば、そのあとの会社生活は上手くいくはず。あとは自分自身で色々勉強しながら知識を付けること。(30代、品質管理、男性)
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以上が、高年収層が上司に対し不満に思いながらも、"上司への対応法"の一例であった。
平均年収層では、"評価は上司に気に入られるかどうか次第"というニュアンスの口コミが目立ち、評価に対する不公平感への不満が見て取れる。
一方、高年収層でも同様の不満や悩みを持ちつつも、評価を高めるためにどう立ち回るかといった一歩踏み込んだ意識があり、考えながら努力をしている印象がある。
高年収層のモチベーションは"裁量の有無"
・基本的に業務はトップダウンで、会社が決めた戦略を遂行することに重きが置かれる。しかし戦略がお粗末なため現場がいつも振り回される。(30代、法人営業、男性)
・ボトムアップ型の風土で働きがいのある良い会社であったが、数年前から企業方針が変わった。短期間での成果ばかり求められ、新規開発をするような兆しはもうない。(40代、制御設計、男性)
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また、高年収層の"上司への不満"の中で「トップダウンであること」という意見が目立っていた。
離職理由として「裁量/権限を得るため」が目立っていたことからもわかるように、トップダウン方式によって自身の裁量が小さいと、モチベーションが上がらず、やりがいを求めて転職を決意する傾向があるようだ。
調査結果のまとめ
◆平均年収層の特徴
・現状の人間関係、待遇、労働状況の改善を求めて離職する。
・人間関係については上司による不公平な評価への不満が高い。
◆高年収層の特徴
・現状だけではなく中長期的な視点で、自身のキャリア/スキルや裁量の向上、会社の将来性を考え離職する。
・人間関係構築の必要性を感じ、コミュニケーション面で努力する傾向がある。
今回の結果を簡潔にまとめると、上記の通りとなるが、いかがだっただろうか?貴方が過去に離職した理由は、どちら側に当てはまるだろうか?
また、この先転職を検討している方がいるようであれば、今回の調査結果と照らし合わせてみよう。そして自分が選択すべき道かどうか判断する際の参考にしていただければ幸いだ。
【データ出典】「転職会議」https://jobtalk.jp/
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