将来はオリンピック種目に?スポーツとしての“ポーカー”が巷で流行る秘密

ポーカーは、会社の経営と極めて似ている。経営者としての刺激にもなる


まずは、株式会社ファイブセンシスの代表取締役、加藤範之さん。


飲食事業向けの戦略コンサルティング会社の代表を務め、“Asia’s 50 Best Bars 2016”という世界ランキング2位を獲得した上海のバー『Speak Low』のオーナーでもある。

「以前ニューヨークに住んでいて、ポーカーはそこで覚えました。」

ポーカーは囲碁や将棋と同じ頭脳ゲームと呼ばれているが、運の要素を多く含むゲームだ。しかしそこには、単純に運や実力だけではない独特の魅力がある、と加藤さんは語る。

「ポーカーは会社の経営と極めて似ていると思うんです。その意思決定には、統計学や確率論といった論理的で数学的なアプローチが用いられます。会社経営も、基本的にはマーケティング理論や経営戦略論を拠り所に意思決定するのに似ているのかな、と。」

しかし、ポーカーではいくら合理的に“正しいはず”の戦略を実行していても、ゲームの進行具合によって状況が都度変化する。圧倒的に有利だと思っていた矢先、突然不利な状況に陥ることもある。会社経営も同様だ。

「つまりポーカーも会社経営も、理論、知識や技術という合理的なものと、タイミングや運の流れというような非合理的なものをあわせた上で “正しい意思決定”を積み重ねていく事で勝利に近づいていくものだと思うんです。とにかくすごく面白い。」

ポーカーは不完全情報ゲームと呼ばれ、ノーベル経済学者ジョン・ナッシュの提唱する「ナッシュ均衡」や「ゲーム理論」という学術的な側面から「経営戦略」「事業投資」にも通ずる奥深さがある。イチ経営者としての感覚を研ぎ澄ますためにも、ポーカーは刺激になるという。

囲碁や将棋と同じ。頭脳ゲームとしてのポーカーは、もともと日本人に向いている


ハウスクリーニング等の身近な仕事をプロに依頼できるという革新的なサービスを提供するウェブサイト、Zehitomo.comを経営するジェームスさん。


彼は今回のトーナメントの優勝者でもある。学生時代から海外でポーカーを嗜み、その歴は長い。大きな大会での入賞経験も多く、プロ並みの腕を持つ。ポーカー界では有名人だ。

「少し前まで、日本人はポーカーが弱いイメージがあり、その人口も少なかった。中国や韓国ではかなり前から流行っていたし、有名なポーカープレイヤーもいましたから。でもここ数年で、日本人ですごく強いプレイヤーが何人も現れましたね。」

日本のポーカーブームは、他のアジア諸国と比べて少々遅れている印象があった。しかし元々日本人は囲碁や将棋などの頭脳ゲームを極限まで極めるという性質がある。ジェームスさんいわく、ここ数年で日本人のポーカースキルは世界で通用するレベルまで伸びたと言うのだ。

「日本人はやはり頭脳戦が得意だと思うので、これからポーカーコミュニティはもっと広がると思います。」

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo