これでアニメ!『東京の今』を切り取るアニメーションアートが開催

あなたが普段目にしている”東京の風景”をアート作品を通じて、眺めてみませんか?

今週末1/23(土)より、『原美術館』において、キュレーターの育成や若手作家の支援を目的とする不定期プロジェクト「ハラドキュメンツ」の第10弾「佐藤雅晴─東京尾行」展が開催される。

佐藤氏の作品は、東京の象徴的な場所から日常の何気ない光景をトレースしたアニメーション作品。この街で暮らす人々は、きっと何かを感じ得るはずだ。百聞は一見にしかず!作品の一部を動画でご紹介しよう。

「東京尾行」12チャンネル ビデオ、2015-2016年

佐藤氏のアニメーションは、実写映像を忠実にトレースする(写し取る・なぞる)ことによって作られ、見ることや認識することの奥深さと豊かさを教えてくれる。作品を見る側は、実写とのわずかな差異から生じる違和感や、現実と非現実を行き来するような知覚のゆらぎをおぼえ、人それぞれに多様な感情や感覚を呼び起こすのだ。

友人は、佐藤氏のトレースを「尾行のようだ」と表現している。佐藤氏はこの言葉で、これまで自分がトレースに拠ってきた理由に気付いたという。

最新作「東京尾行」、12チャンネル ビデオ、2015-2016年

実写とアニメーションの虚実一体
「東京尾行」

”トレース=尾行”という新たな認識のもと、制作された最新作「東京尾行」。こちらの作品は、佐藤氏が2015年に東京中を歩き回り撮影した映像を基にしたアニメーションだ。

佐藤氏が尾行した東京の景色は、国会議事堂、工事現場の油圧ショベル、歩道橋を渡る人、アイスクリーム、路地裏の猫など...。
東京の象徴的な場所や何気ない光景や気配を尾行し、対象に導かれるまま”東京”を体感している。
あなたの目にはどんな風に映るだろうか?

国会議事堂をトレース。/「東京尾行」 12 チャンネル ビデオ、2015-2016年

日常の一コマを花と共に...。/「東京尾行」 12 チャンネル ビデオ、2015-2016年

グルメシティ東京のよくある風景。/「東京尾行」 12 チャンネル ビデオ、2015-2016年

日常そのものがもつ複雑さや多義性が、様々な解釈を生み出す

実写映像の一部のみトレースされた本作では、部分的にアニメーションとなることで、全体がそうであった時には意識されなかったこと。そしてアニメーションの層の下に実写の層が存在し、映像が虚実一体であることが明らかにされている。

しかも虚であるあずのアニメーション部分には、実とは別の魂が宿り、実よりもリアルであるかのように見え、我々が目にするものの虚実の曖昧さを問いかけながら、虚の可能性も示す。

工事現場の様子。きっと2020年の東京五輪に向けてますます多くなるであろう風景だ。/「東京尾行」 12 チャンネル ビデオ、2015-2016年

東京は今、至る所で耐震補強工事が続けられ、また5年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて街が大きく動きつつある。
半世紀前の東京オリンピック時がそうであったように、今回も景観だけでなく、日本の社会システムや日本人の価値観・習慣・人格までもが大きく変化するかもしれない。

そのような東京の今をトレース=尾行した佐藤氏の作品は、見る人それぞれに、未来への希望や期待、恐れや不安など複雑な感情・感覚を呼び起こしつつ、多くの未知のものが形となる予感を感じさせてくれるだろう。

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