#東京デート百景 銀座からタクシーで15分。大人が外で口説ける街、夜の浅草

#東京デート百景 『浅草』(東京都台東区)

「飲む」以外に異性との時間の過ごし方が分からなくなってしまって久しい・・・

日本橋の証券会社勤務・智也(32歳)は、思いを寄せている女性・由紀(28歳)とのデートプランにかなり悩んでいた。
会合で知り合った由紀は丸の内の損害保険会社勤務のため、中間点の銀座がいつものデート場所だが、レストラン&バーというデートプランに早くもマンネリ気味だ。

常にテンション高めな由紀に、バーでしっぽりが合ってるとどうも思えない。違ったデートで彼女を喜ばせたい。
そして、まだ出会って3回目の彼女と、願わくば、今夜こそ手をつなぎたい・・・そんな下心もあったその夜・・・・


今日は早めに食事しようと約束した由紀と、銀座の『ル・ボーズ』で食事を済ませたのが20時30分。昭和通り近くの店をチョイスしたのも計算の上。
「今日ちょっと出かけたいところあるんだよね」

昭和通りからタクシーを拾う。

タクシーに告げる「浅草の松屋デパートまで」

20:45~21:00

浅草松屋デパート

「浅草?夜行ったこと無いな、私」

(良かった…)
「俺も一度夜行ってみたいと思っててさ。銀座から15分で行けるから、遅くならないし、いいでしょと思って」

到着した浅草松屋。前に智也が仕事で訪れたときは、ダサイ東武電車の看板がデカデカと掲げられていたのに、随分がんばってムーディーな外観になっている。

「すごいね、夜だと雰囲気かなり違うね」
由紀の飲んでる時よりトーンの高い声に、今日のデートはいけるかも、と智也は期待した。

後ろを振り向けば、絶景スカイツリー

21:00~21:05

左から、スカイツリー、アサヒビール本社、アサヒスーパードライホール。

「ちょっと、後ろすごいよ!」由紀が指差した先には、なんとも統一感の無いながらも圧倒的な絵力で押し切るこの夜景。
「あの金のやつ、何を表現してるのかしら」

「燃える心と聖火台らしいよ。」
(地元の人達は『金のう○こ』って呼んでるみたいだけど・・・)

「・・・スカイツリーもこんなに見えるのね。なんだっけほら、あの映画みたい。あのカッコイイ人出てたやつ」

俳優の名前すら由紀は思い出せず、何の映画かはさっぱり分からない。

『神谷バー』沿いに雷門へと歩く。

21:05~21:10

神谷バー

「智也君、"デンキブラン"って何?」
「俺もよくわからない・・・」
東京の多くの人はイマイチなんなのかがわかっていない神谷バーの名物『デンキブラン』の売店を横目に、雑踏の中を歩く。

「"ホッピー"って?」
「昔のビールみたいなやつだね。焼酎で割るんだよ」
「お酒をお酒で割るの?すごい、飲んでみたい」

気取りようが無い街の空気に、こなれたカップルのようなムードが二人を包んでいる。

夜の雷門に到着。静寂の中、仲見世を歩いて浅草寺へと向かう二人

21:10~21:20

雷門

「でた!」由紀が歓声を上げる。

インバウンドブームもどこ吹く風、21時を過ぎた雷門から浅草寺に続く仲見世は、人影もまばら。
雷門をくぐるときに、自然と手をつないだり・・・

(まだ早いよな・・・・)

「行ってみようよ!」

はしゃぐ由紀を見て、やっぱりいつもの銀座デートは由紀には楽しくないんだろうな、と思いながら智也も苦笑いで雷門をくぐる。

仲見世

仲見世のお店はほぼ全店が閉まっているが、その静かな雰囲気がまたデートにはよい。

「ここら辺、オリンピック近くになったら、すごいことになるんだろうね。絶対来るもんな、外人」
と、あえてベタな未来の話を智也はふって、彼女の未来像に探りをいれてみる。

「あと5年だもんね。 5年後かぁ、私その頃33歳だ。まずいね!」
笑顔で話す由紀を見て、まあいいかと別の話題に。彼女の屈託の無い笑顔は仲見世の雰囲気によく似合う。

伝法院通り

「あー、この辺、メレンゲの気持ちの通りの達人で、この前、石ちゃんが食べ歩きしてた!あれ、私大好きなんだよね」

「土曜日は家にいる派?」
「日曜日も。WOWWOWばっかり見てる。でも最近HULUの方がよく見てるかも」

暫く続いた由紀のHULUとDTVの比較論に、智也は由紀に嘘ではなく彼氏がいないことを確信する。

「スターウォーズの最新作、見に行かない?」
「ごめん、私一個も見たことない」

見たことない女性にスターウォーズの魅力を語るのはハイリスク・ノーリターンである。

「ねぇ、見えてきたよ!」

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ