男と女の答えあわせ【A】 Vol.318

「結婚したら二子玉に住んで、子どもは…」女が嫌悪感を抱いた29歳男の“結婚像”とは

三浦マキ

A2:コントロール傾向があるので、結婚後が怖い。


漠然と未来の話をしている分にはまだ良かった。時々言われる嫌味などは軽くスルーすれば済むし、そんなことで別れるまでには至らない。

だから、なんとなくズルズルと付き合って、気がつけば交際期間は1年になろうとしていた。

そんな時のことだった。

週末に銀座の歩行者天国を二人で歩いている時に、急に拓実が“結婚”の話をしてきた。

「由梨。僕たち結婚したら、どこに住むのがいいかな。子育てするなら、二子玉とかそっちもアリだよね」
「え?結婚?」

あまりにも突然のことで、私は思わず口が開いてしまった。

― 拓実は彼氏としてはいいけれど…。結婚だとどうなんだろう。

そう思っていると、拓実はどんどん畳み掛けてくる。


「え?だって、交際して僕たちもうすぐ1年だよ?」
「そうだよね…。いや、考えてくれていたんだなと思ったらびっくりしちゃって」

拓実の言っていることはわかる。お互い30歳という年齢もあるし、結婚も考えなければいけない。

いや、結婚を意識するのはごく自然なことだと思う。

でもこの話をしている最中から、私はなんとなく嫌な予感がし始めた。

「二子玉、子育てしやすいらしいよ」
「そうなんだ。でも目黒とか、逆に実家が近い横浜とか…その界隈も良さそうだけど」
「いや、二子玉にしよう」

まず、人の話をまったく聞かない。二人で住む家の場所の話なのに、自分の希望のみを言い、こちらの望みはほぼスルーだ。

そして何より、子どもの話になった時。彼の本質を、私は見た気がした。

「子どもは5人がいいな」
「子ども5人は無理だよ〜」
「いいじゃん、大家族」

こんなことを言ったらこちらも性差別になるかもしれないけれど、子どもを実際に産むのは私の方だ。

こちらの気持ちなどまるで無視で、自分の理想を無自覚で押し付けてくる。

そんな“コントロール気質”を、私は感じ始めていた。

「結婚したら、こういうことが増えていくのかもしれない」

私の気持ちは、少しずつ後回しになっていくのかもしれない。そんな不安が、妙に現実味を帯びて見えた。

そう思い、私はそろそろ彼の元を離れようかと思っていた。

そんなタイミングでの、プロポーズだった。


平日に彼の家で食事をし、洗い物をしていた時。急に、拓実が真面目な顔をして近づいてきた。

「あのさ、由梨。結婚しよう」
「……え?」

この時、とっさに私の頭に浮かんだのは「嬉しい」とかではなく、「どうしよう」だった。

別に嫌いではないけれど、結婚したら窮屈な幸せしか見えない。

わかりやすいモラハラでも、わかりやすい男尊女卑でもない。でも、何かがひっかかる。

― どうしよう…。

拓実にプロポーズされて以降、ずっと考えていた。

結局、私が出した答えは、「NO」だった。

自分の幸せは、自分で作るもの。そして自分の権利や自尊心を誰からも邪魔されたり壊されたりしたくない。

だから彼のプロポーズを断り、白紙に戻す決断をした。


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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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