男と女の答えあわせ【A】 Vol.318

「結婚したら二子玉に住んで、子どもは…」女が嫌悪感を抱いた29歳男の“結婚像”とは

三浦マキ

A1:女性はこうあるべき、という偏見がある。


拓実と出会ったのは、友人の紹介だった。端正な顔立ちに清潔感のある爽やかな雰囲気。少し神経質そうではあったものの、最初のうちは、そこは気にならなかった。

お互いに29歳で、しかも職場も丸の内ということもあり、とても自然な流れで、二人で食事へ行くようになった。

すると、何度目かの食事の時に、拓実の方から告白をしてきてくれた。

「由梨、僕たち付き合わない?」
「はい」

「そろそろ結婚したい」と思っていた私にとっては、最高のタイミングだった。

相手は条件的には申し分ないし、何よりも一緒にいて楽しい。だから、このまま幸せな日々が続き結婚する…。そう信じていた。


しかし、恋愛において完璧なんてことはない。

交際してから、私はいくつか気になることが出てきた。まず、拓実の金銭感覚だ。拓実は、細かいところでも必ずお会計を折半する。

コンビニや週末のランチも基本的に綺麗に割り勘。今は私も働いているから構わない。

週末に外でランチをしても、自分も支払う方が相手に借りを作らない気がして楽だ。

「由梨って、ちゃんと全部折半にするよね」

そう感心する拓実に、私は笑顔で返す。

「お互い仕事をしているうちは、折半の方が楽だなと思って。どちらかの負担が重くなると、関係性が崩れる気がして」

年収は、きっと拓実のほうが上だと思う。でも、今は働いている以上、奢って欲しいとか思っていない。

ただもちろん、私にも例外はある。

「でも、何かあったらよろしくね。女性には出産とか色々あるから、働けなくなる時期もあるわけだし」

もし結婚して子どもを授かったとき。女性は、必然的に休まなければいけない時がくる。

ただこの話をした時に、拓実は素っ頓狂な返答をしてきた。

「でも由梨の会社だったら、育休中とか手当も厚そうだしいいよね」
「どうなんだろう?多分いいとは思うけど」

― これはつまり、出産・育児休暇中でも支払いはそのままってこと…?

私がそう不安になるのには、いくつか理由があった。


まず、拓実は無意識に「女性はこうあるべき」を当然のように押し付けてくる傾向がある。

「ちなみに由梨は、結婚しても仕事は続けるでしょ?」
「うん。続けるよ。でも今の会社にいるかどうかはわからないな。転職するかもしれないし」
「え〜やめときなよ、転職なんて。由梨の今の会社、条件もいいし。年収だって悪くないでしょ?」

彼氏や大事な人だったら、ここは応援してほしい。でも拓実は悪意なく、ネガティブな言葉を私にぶつけてくる。

「うん、まぁそれはそうだね」
「お互い安定した会社で働いていたら、家のローンだって通りやすいし…。何よりも子どもが生まれた後、由梨が子育てしながらでも働きやすい会社を希望するなら、絶対に今の会社にしがみついていた方がいいよ」
「そんなことまで考えているの?」

現状、お会計などは折半で対等な関係のはずなのに、“家のことは女性がするもの”という考え方も垣間見える。

― 結婚したら、ちょっと面倒くさそうなんだよね…。

実は交際当初から、密かに私はこう思っていた。

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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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