都内屈指の住宅街・世田谷区。
そのブランド力の高さゆえに、イメージに惑わされて等身大の姿が捉えにくい側面もあるが、実態はどうなのか。
マンションリサーチ株式会社が発表したレポートは、世帯年収と家計支出、そして中古マンション価格の相関関係から、世田谷マンションの「買える価格ライン」と「資産性」を鮮明に描き出している。
世田谷区の世帯年収データ
まずは世田谷区の家計構造を確認しよう。
LIFULL HOME’Sが集計したデータ(2022年4月末時点)によると、世田谷区の平均世帯年収は655万円。
東京都平均の564万円を約16%上回っており、世帯年収が高いエリアであることがわかる。
特筆すべきは、年収700万円以上の世帯が約3割を占めるという所得層の厚さだ。
この中間層の存在感が、区全体の平均年収を大きく引き上げる要因。中堅クラスの安定感と高所得層の購買力が共存する、極めてパワフルな市場構造と言えるだろう。
世田谷区の年間支出は平均472万円。家計支出の分析からは、世田谷区特有の価値観が見て取れる。
隣接する杉並区と比較しても住居費や教育費が高く、住環境や子供の教育環境を優先する「価値志向型」の世帯が集まっているのが特徴だ。
中古マンションなら「年収800万円」でも射程圏内!
世田谷区の中古マンション売買価格相場は6,993万〜7,393万円。
レポートでは、想定物件を中古マンション7,000万円とし、以下条件でシミュレーションを行った。※数値はすべて概算
<条件>
・マンション価格:7,000万円
・頭金:300万円
・ローン金利1%/ローン返済期間:35年/ボーナス返済:年間50万円
・月々の支払額:約14万円
教育費や生活費を合算すると赤字になるケースも。
しかし、マンションナビのデータによれば、世田谷区の中央値は6,000万円台後半〜7,000万円台前半。築年数や専有面積のバランスを調整すれば、世帯年収800万円でも十分に「射程圏内」といえる。
下落しない資産価値!築30年超でも底堅い推移
投資対象としての世田谷区の魅力は「安定性」。
マンションナビが公開する世田谷区の築年数帯ごとの平均平米単価を見ると、築浅と築古の差がわずか22万円(平米単価)程度に収まっていることに驚かされる。
これは築古物件であってもリノベーション需要などが極めて高く、資産価値が目減りしにくいことを示唆している。
隣接する杉並区、目黒区と比較しても、世田谷区のマンションは価格下落が3区のなかで最も緩やかだ。
供給は限定的であるものの、築古でも流動性と価格安定性が維持される構造。今後も、世田谷区は資産価値の維持力が高いエリアといえるだろう。
再開発がもたらす需給構造の変化
今後の展望として注目すべきは、エリア内の供給構造の変化だ。
2025年には「千歳烏山団地」の建て替えにおいて容積率緩和が初めて適用されるほか、2028年には上用賀三丁目での大規模開発が控えている。
これらの動きは、供給コストを抑制しつつ流通量を増やす可能性を秘めており、今後の相場形成に大きな影響を与えるだろう。
世田谷区は中長期的な資産形成の適地
世田谷区は、今や単なる「住みやすい街」ではない。
家計データが示す現実は、築年数の選択肢を広げることで、中間層であっても十分に手が届く「堅実な住宅エリア」であるということだ。
住環境という無形の価値を享受しつつ、築古でも安定したリセールバリューを期待できる同区は、インフレ局面における中長期的な資産形成の有力な選択肢であり続けるだろう。
調査背景
世田谷区は「人気が高い一方で価格も高い」と言われる地域。しかし、2025年には千歳烏山団地建替えへの容積率緩和の初適用や、上用賀三丁目の大規模マンション計画など、住宅市場の構造変化が進み始めている。
本調査では、世帯年収データ、物価上昇率を踏まえた支出モデル、そして中古マンション相場を総合的に分析し、「世田谷区ではどの層が実際に購入可能なのか」 を生活実感ベースで明らかにした。
調査概要
調査期間:2020年〜2025年のデータを基に分析(マンションナビ過去データは2016年~現在を対象)
データ出典:マンションナビ(https://t23m-navi.jp/)、LIFULL HOME’S「住まいインデックス」(https://lifullhomes-index.jp/)
調査機関:マンションナビ(https://t23m-navi.jp/)
調査対象エリア:東京都、東京都世田谷区および周辺2区(杉並区、目黒区)
【参考資料】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000168.000013438.html











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